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        3  2人の関係

 王子とマリエールの関係は勇者と聖女ではない。転生者同士という関係だ。

          3  2人の関係



 2人の関係はかなり改善された。身近にいた事で王子はマリエールに鬱陶しがられていた事に気付いた。マリエールがその気になればいつでも逃げられることは判る。彼女なら何をしてでも生きていける。彼女の生活を制約する権利はない。ただ彼女に自分のことを気にいって貰いパートナーとなる道を歩いて欲しい。念話も一日一回と決めた。彼女の提案だ。彼女はマジックショーの話をしたがった。私は魔王こととか国の行方の話をしたい。マリエールは言った。

「私には関係のない話だわ。聖女になると決まったわけでもないし聖女にされたら私逃げる気で準備もしているわ。今の準備が不要になることを祈っているけど。あなたの態度次第では称号を得る前に学院から消えるわ。こんな野蛮な人と暮らす未来なんて想像もしたくないわ。」

これ以上ないほどにマリエールは王子を絶望の縁に追い込んだ。

「判ったよマリエール。魔王の話も国の行く末の話もしない。マリエールの気にいったことだけ話題にしよう。」

それ以来、王子はマリエールのご機嫌取りに徹した。ある日マリエールは言った。

「あなた私のご機嫌取りばかりしているけど、私聖女になったら必ず逃げるわよ。なんで魔王を討伐したりあなたと結婚しなければならないの。他の聖女を捜すのが先決なのではないの。」

マリエールが心を開いてくれるようにご機嫌を取っているのだ。しかし、本当にマリエールが聖女になってくれない場合も考えておく必要がある。

「それから私転生者だから伯爵家に未練はないけど、伯爵家を粛清しようすれば私はこの国粛清するわ。私本当の力の100万分の1しか外に出していないの。本当の力を出せばこの国を焼け野原にするくらいは何でもないわ。討伐だって私個人に依頼してくれるなら受けてもいいのよ。でも足手纏いのあなたと一緒で、しかもあなたと結婚までさせられるなら逃げた方がましでしょ。」

マリエールが逃げても伯爵家の粛清はしないように伝えなければ。

 後日国王に謁見して聖女のことを進言した。

「国王陛下、現在未婚の聖女はいません。今度の判定式で聖女が現れる可能性は低いです。市民のなかから聖女を捜す必要があります。」

それには国王も同意見のようだ。

「宰相、市民の中から聖女を捜すようにふれを出せ。今度の判定式で貴族から聖女が出なければ、最善の聖女を連れて参れ。」

宰相は拝命した。

 魔王の影響は王都に近い村街にも及んだ。冒険者にオークが倒せない。今までは単独あるいは2,3頭で行動していたオークが十数頭で行動する。しかも、草原だけでなく人間の居住区にまで及んだ。軍への出動要請がくる。国は動かない。勇者と聖女が魔王を討伐すれば済むことだ。

 一番被害を出す魔獣はゴブリンだ。数百頭で村街を襲う。一頭なら討伐可能だ。数百頭のゴブリンは相手が出来ない。ドラゴンも大きな被害出している。今まで大人しかったドラゴンが暴れ不安がます。本当に勇者と聖女は現れるのか。

 王都近くにも魔王の影響は出ている。早く魔王を討伐して欲しいと皆が願う。

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