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       2 社交会に入る

 王子の念話は鬱陶しい。前世のこと魔王のこと学院のことなど絶え間なく送ってくる。マジックショーの招待が来た。

         2  社交会に入る



 うるさいくらいに念話が飛んでくる。前世のこと魔法のこと魔王のこと---------。転生者は勇者や聖女になりやすいそうだ。勇者はそれほど珍しくないが、聖女はあまり存在しないので、疑似的な転生つまり召喚で聖女を作っていた時代がある。しかし、数十人の魔法使いが何日もかけて行うこと。その割に成功率が低いこと。そう言った理由で召喚を辞め貴族の称号全て把握するようになったのが学院の始まりだ。一定数の聖女が存在することが判った。それまで称号は個人情報だった。聖女の称号を得たからと言って好き好んで魔王と戦いたがる女性はいない。まして討伐に成功すれば勇者と聖女は結ばれれる可能性が高い。聖女も勇者も未婚でなければならない。年が釣り合ってなければならない。美男美女でなくてはならない。自分は勇者確定であり、魔王が出現している以上自分が討伐に出るのは確定だ。問題は聖女だ。未婚の聖女が貴族ではいない。夫がいないという意味では60歳の老婆がいるが聖女の役割を果たせるとも思えない。貴族以外で聖女を当たるべきか。と考えていたところのマリエールの出現だ。同学年だ。伯爵令嬢だ。美少女だ。魔法が強力だ。素直で可愛い。

 マリエール取っては王子の言葉は呪いだ。魔王と戦うのもこの変な王子と結ばれるのも呪いだ。聞きたくない念話が聞こえる。念話を拒絶する魔法はあるが使うわけには行かない。称号を改ざんする魔法はないか。称号を決定するメカニズムが判らないので無理だ。聖女に認定された段階で逃げ出すか。

 また鬱陶しい王子から念話だ。今度の土曜日午後2時から社交会をするそうだ。私はため息をついた。王子はマジックショーの発表会だと言った。同じ年頃の子ども達が年1回日頃の練習の成果を見せ合うのだと話た。日頃文化の香りも感じさせない野蛮人がどういう風の吹き回しだろう。マリエールは受諾した。      

 当日出かけると8人の男女が思い思いに練習していた。王子が声をかけた。

「さあ時間だよ。みんな準備して。」

何人かは先日の入学式で挨拶した公爵侯爵の子息令嬢だと判る。始めに一番小柄の少女が舞台に立ちマジックショーを始めた。南京玉簾だ。良く出来た構成だ。面白い。次はトランプを使った手品のようだ。次が空中浮遊して花びらを撒き散らす。そして次が人形の行進。小さな軍服を着た兵隊の人形が行進する。これは可愛い。王子は、

「みんな1年でこれだけ上達したものだ。締めくくりに私の幻影を見てくれたまえ。」

周り一面、湖の上に立っているのが判る。氷が張っている。ひんやりする。空から白鳥が舞い降りる。白鳥達は舞い踊る。その姿は少女のものとなる。東の空が白む頃少女達の姿が消える。

 拍手と歓声が起こる。お互いにお互いを称え合う姿もある。王子が言う。

「まだ一人いるだろう。今日特別にお呼びしたマリエール令嬢の演技を見ずしてマジックショーは終わらぬ。」

完全な虐めだ。出来ませんと泣けばいいのか。しかし、私にも出来るマジックショーのヒントは幾つか有った。私はやりますと言ってフライで浮かんだ。そしてアイテムボックスから花束を出して一人一人に配った。そして空中に戻りショート転移を繰り返しながら花びらを゙撒き散らし収納を繰り返した。私のマジックショーは終わった。

 地面に下りると歓声と拍手に包まれた。女性に抱きつかれ

「こんなマジックショー始めて見たわ。ブラボー。」

私は礼を言った。王子が本をマリエールに差し出した。受け取った。マジックショーの本だ。

「天性でこれだけ出来るのだ。知識をえればもっと凄いマジックショーができるさ。」

マリエールはマジックショーに目覚た。

 マジックショーは面白い。一つ一つに興味深い。いきなりやれと言われた。フライと転移を使ったマジックショーをやった。

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