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最弱と呼ばれた少年、実は最難関ダンジョン攻略済み ~ダンジョン探索を楽しんでいたらエリートクラスの美少女から弟子入り志願されています~ 書籍化&コミカライズ化決定!  作者: 天池のぞむ
第4章 最底辺クラスの少年

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第56話 集結


「こ、こんにちは。お邪魔します」

「ようシエスタ。待ってたよ」


 放課後――。


 ルクスの家にシエスタが訪れていた。


 シエスタは辺りをキョロキョロと窺いながら中へと足を踏み入れ、ルクスの後ろに立っていた人物に「あ……」と声を漏らす。


「こんにちは。シエスタさん、でしたね」

「は、はいっ」


 そこにいたのはロゼッタだった。


「昨日ぶりですね。シエスタさんの魔法、とても綺麗でしたよ。あの分なら実戦慣れすればすぐにクラス昇級も狙えるかと思います」

「あ、ありがとうございます」


 ロゼッタの言葉にシエスタはしどろもどろになりながら返事をする。


 一応二人は昨日の特別授業の際に面識はあるものの、こうしてまともに会話をするのは初めてである。


「あの、ええと。ロゼッタさんの指導もすごく丁寧で、その、何というか……とっても良かったです!」

「シエスタ。語彙力が(とぼ)しくなっていますよ」


 やれやれと声を発したのは姿を現した月の精霊ルーナだ。

 ルーナの指摘にシエスタはますます赤面する。


「あら、可愛らしい子じゃない。ルクスも隅に置けないわねぇ」

「ほっほっほ。初々しいのぅ」

「ノーム、アンタはちょっと爺臭いわよ」

「と言われても実際に爺だし」

「可愛げがないわね……」


 ウンディーネが嘆息し、ノームが満足げに笑みを浮かべている。


 家の中に集まったのはルクス、ロゼッタ、シエスタの三人。そしてノーム、ウンディーネ、ルーナの三体の精霊たち。


 調査に出かけていたノームやウンディーネが帰還したこともあり、今日は精霊や黒の瘴気の事情を知る人物を集め、情報を共有することになっているのだ。


 シエスタがノームとウンディーネに会えたことに感激し、ロゼッタがルーナに挨拶して。

 それぞれの顔合わせが済んだ後、一同は円卓を囲って席に着いた。


「さて、それじゃどこから話そうか」

「そうですね師匠。まずは一旦状況を整理して、それからノームさんとウンディーネさんの話を伺うのが良いのではないかなと」

「だな。みんなもある程度把握はしてると思うけど、まずは認識を揃えた方が良さそうか」

「はい。私も師匠から話は聞いていますが、まだ知らないこともあると思うので」


 ルクスと隣に座ったロゼッタがそんな会話をして、何故かシエスタが落ち着きなさそうに二人の顔を交互に見やっている。


「……? シエスタ、どした?」

「いえ、その……本当にルクスくんってロゼッタさんにとっての師匠さんなんだなって」

「あー」


 そういえばロゼッタとの関係性も少しは話したんだったかとルクスが顎に手をやる。


 シエスタはルーナのことも知っていたため、《白水晶の遺跡》で起こった黒の瘴気発生事件のことから(おの)ずとロゼッタとの関係性も伝わっていた。のだが、ルクスとロゼッタのやり取りを目の当たりにして実感が湧いたらしい。


「私もシエスタさんのことは聞いています。何でも、ダンジョン攻略の実践授業で師匠が魔法を加減していたことを見抜いたんだとか」

「あはは……。最初に気づいたのはルーナさんですけどね」

「あれは驚いたよなぁ。授業の後でシエスタに声をかけられて、ルーナまで現れてだったからな」

「ふふ、そうですね。あの時は私もびっくりしました。まさか同じクラスの男子にそんな人がいたなんて。……それに、あの授業でかけてくれた言葉も嬉しくて」

「ん? ああ……」


 確か周囲から姉と比較して見られていたことかとルクスは思い当たった。


「……」


 その時のことを思い起こしながら話す二人をロゼッタは微笑みながら静観している。

 が、ルクスと話すシエスタの視線がどこか熱を帯びているのを見て、表情は変えなかったが座っていた椅子を僅かにルクスの方へと寄せた。


「いいのぅ。青春じゃのう」


 ロゼッタの行為に気づいたノームが白い顎髭を擦りながら呟き、隣にいたルーナは短く息を吐いたのだった。


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最弱と呼ばれた少年、実は最難関ダンジョン攻略済み

― 新着の感想 ―
[気になる点] なぜか修羅場の予感か、本人前に陰口大会の予感しかしないんだが
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