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最弱と呼ばれた少年、実は最難関ダンジョン攻略済み ~ダンジョン探索を楽しんでいたらエリートクラスの美少女から弟子入り志願されています~ 書籍化&コミカライズ化決定!  作者: 天池のぞむ
第2章 精霊と少年と少女と

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第27話 救出、その後で


「あ、ルクス君!」


 ルクスたちが《白水晶の遺跡》の入り口から離れた場所まで移動すると、コランが駆け寄ってくる。


 コランはルクスたちが背負っている二人の生徒たちを認め、慌てた様子で尋ねた。


「ルクス君、その……二人は?」

「ああ、大丈夫だ。今は気を失っているみたいだけど、間に合ったよ」


 その返事を聞いて、コランは安堵の表情を浮かべる。


 第10層でイビルローズに捕らわれていた二人を救出し、すぐにノームが黒の瘴気を無効化する結界を発動。


 その後、一行は生徒たちを連れてダンジョンから抜け出すことに成功していた。


「しかし、ギリギリじゃったのぅ。無事に皆で戻ってくることができて何よりじゃわい」

「ノームのじっちゃん。この二人には何か処置をしなくて良いのか?」

「うむ。新鮮な空気を吸わせてやれば、じきに目を覚ますじゃろう。後遺症などが残ることもあるまい」

「そっか。ならもう大丈夫だな」


 ふわふわと宙に浮かんでいるノームの言葉を聞いて、ルクスは安堵する。

 そして入り口から離れた所で救出した生徒たちを下ろし、ほっと息を一つついた。


「いやぁ、ロゼッタのおかげで何とかなったよ。サンキュな」

「師匠。ありがとうございますと言いたいところですが、その言葉はおかしいです。おかげというなら師匠の方こそじゃないですか。あ、あとノームさんも」

「儂はおまけかい」

「す、すみません。そういう意味じゃ……」

「ほっほっほ。よいよい。少しからかってみたくなっただけじゃ。しかし、本当に見事じゃったぞ、二人とも」


 精霊の賛辞を受け、ルクスとロゼッタは揃って頭を掻く。


 と、その様子を黙して見ていたコランが声を上げた。


「あのさ、ルクス君。その宙に浮かんでるおじいさん、さっきダンジョンの中に入っていく時にもいたよね?」

「あ……」

「ノームって呼んでたけど、ま、まさか、精霊ノーム?」


 コランは引きつった笑みを浮かべ、ノームのことを指差している。


 ルクスは既に当たり前になっていたが、精霊というのはこの世界で様々な憶測が飛び交うほどの存在である。


 その存在は架空や伝説であると思っている人間も多く、だからこそ、教本に出てくる見た目そのままの生物が目の前にいて、なおかつ自分の友人が普通に会話しているという状況にコランが困惑するのも無理はない。


 そういえばまだ説明していなかったなとルクスは苦笑しつつ、コランに話していく。


「はは……。ほんとルクス君ってばとんでもないよね」


 ひとしきり説明した後で、ルクスはコランからそんな言葉を頂戴することになった。


「とりあえずコラン。ノームのじっちゃんのことは内緒にしといてくれ」

「まあ、色々と騒ぎになりそうだしね……。見つけたルクス君も絶対注目浴びることになるし」

「ほっほ。それはそれで楽しそうじゃがのぅ」

「ノームさんに同意です。私には教えてくれたんですし、隠す必要なんてないのでは?」

「やだよ。俺の自由気ままなダンジョン攻略ライフが終了しちゃうじゃんか」

「僕からすると、ロゼッタさんがなんでルクス君と一緒にいるのかも気になるんだけどね」


 コランはもう驚きの感情が麻痺しているらしく、ただ溜息をつくばかりだった。


「そういえばコラン、他の生徒たちは? 先生も呼びに行ってくれたんだよな?」

「あ、うん。全員森の所まで運んだよ。先生たちもついさっき到着してね。今は生徒たちを看てくれてる」

「そっか、ありがとな。コランがいてくれて助かったよ」


 ルクスが素直に感謝を告げると、コランはどこか照れくさそうに笑みを浮かべる。


「おーい、お前ら」

「げっ」


 と、森の方角からやって来る一人の男がいた。


 ルクスが所属しているFクラスの担任教師、オリオールである。


「の、ノームのじっちゃん、姿隠してくれ」

「なんじゃルクス。そんなに慌てて」

「いいから早く!」

「分かった分かった」


 ノームが空中でジャンプするような仕草を取ると姿が見えなくなる。


 ルクスは本当に姿を消せるんだなと感心したが、今はそんなことを考えている場合ではなかった。

 教師であるオリオールにバレれば色々と面倒なことになると思ったからだ。


「良かった、中にいた生徒は無事だったか」


 幸いにもオリオールはノームに気づくことなく、取り残されていた生徒たちが無事だったことに胸を撫で下ろしていた。


「ってルクス!? コランから聞いたが、助けに行ってたのってお前だったのか?」

「あはは。こんにちは、オリオール先生。でも、中に入ったのは俺だけじゃないですよ」

「おいおい、大丈夫だったのかよ。ダンジョン内には変異した魔物もいたって聞いたぞ」

「それはその、ここにいるロゼッタさんが倒してくれましたから。俺は後をついて行っただけですよ」

「……」


 ルクスはそんなとぼけた調子で頭を搔く。


 一方でロゼッタは本当のことを伝えたら良いのにと思いつつも、ルクスが実力隠すつもりなら仕方ないかと言葉を紡ぐ。


「オリオール先生、森の方にいる生徒たちと含めて、この生徒たちもお願いできますか。ダンジョンで起きた変異に関する報告はそれからということで」

「……ああ、分かった。イレギュラーな状況だったとはいえ、よくやってくれた」

「ふふ。その言葉はそこにいるルクスさんとコランさんに。お二人とも協力してくれましたから」


 ロゼッタはそう告げるに留め、まずは生徒たちを運ぼうという流れになった。


「……」


 生徒たちを運ぶ最中、オリオールはまだとぼけた様子でいたルクスをチラリと見やる。


(まさか、な……)


 オリオールは胸の内に疑問を抱いたが、それを口には出さなかった。



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