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最弱と呼ばれた少年、実は最難関ダンジョン攻略済み ~ダンジョン探索を楽しんでいたらエリートクラスの美少女から弟子入り志願されています~ 書籍化&コミカライズ化決定!  作者: 天池のぞむ
第1章 ダンジョンを愛する少年

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第17話 八大精霊ノームとの邂逅


「な、何だ?」

「何だとは何じゃ。お主こそ、何者じゃ?」


 《ノームの洞窟》の200階層。その最奥部にて――。


 ルクスの目の前に姿を現したのは、小人の老人だった。


 老人は白く長い髭を生やし、ふわふわと宙に浮いている。

 頭には先の尖った帽子を被っており、大きさはルクスの顔と同じくらいしかない。


 そこからして普通の生物でないことは明らかだったが、ルクスはその外見に見覚えがあった。


(確かこれ、教本にあった……)


「えっと。もしかして、精霊ノーム?」


 ルクスはリベルタ学園の教本に描かれていた絵図を思い出し、問いかける。


「いかにも。儂はノームじゃが?」

「やっぱり! やっと会えたっ!」


 ずっと探し続けていた精霊と会えたことで、ルクスは思わず声を上げた。


 精霊ノーム――。


 八大精霊の中でも土の属性を司るとされる存在である。


 その姿を見たことのある者はいないとされているはずなのに、なぜ学園の教本に描かれていた見た目と一致しているのか。

 ルクスはそこに引っかかりを覚えたが、それよりも今は歓喜の方が勝っていた。


 ノームの小さい手を掴んで、そのままブンブンと振り回す。


「やっぱり精霊はいたんだ! すげぇ!」

「お、おい、お主! 一旦落ち着け! 落ち着くんじゃ!」

「あ、ごめん」


 振り回されていたノームが声を上げ、ルクスはパッと手を離す。


「ふぅ。腕がちぎれるかと思ったわい」

「ははは。本当に会えたもんだから、つい嬉しくって。しかも喋れるみたいだし」

「で? お主はいったい何者なんじゃ?」

「俺はルクス・ペンデュラム! よろしくな、ノームのじっちゃん!」

「じっちゃ……。はぁ、まあいいわい」


 ノームは宙に浮いたままで溜息をつき、呆れたようにルクスを見つめた。


「それで、ルクスとやら。お主、どうやってここに来た?」

「どうやって、って言われても。普通に上から?」

「上? 地上ということか?」

「そうそう」


 ルクスが告げると、ノームは何かを考え込むようにして髭を擦る。

 ノームは何やら難しい顔をしていたが、一方でルクスは、精霊っていうわりには人間とあまり変わらない感じなんだなと、密かな感激を覚えていた。


「ふぅむ。こりゃあ驚いた。見たところ普通の人間のようじゃが、まさかこんな深い場所にまで潜ってくる者がおるとはの」

「精霊を見つけたかったからな。こうして会えて嬉しいよ。話してみたかったし」


「しかし、途中の魔物はどうしたんじゃ? 特にここと、この上の階層にはかなり強い魔物がいたはずだが? 上手く抜けてきたのか?」

「ああ。あの壁と骨が動くやつか。アイツらならぶっ倒してきたぞ」

「ぶっ倒してきた、だと? た、確かに奴らの気配が感じられん。待て、そういえばルクスよ。お主、よく見たら一人ではないか。他の人間はどうした?」

「他の人間? 俺は一人で来たんだけど」

「一人……。一人であれらの魔物を討ち倒してきたというのか?」

「うん」


 ルクスが言って、にかっと笑う。

 対してノームは一瞬きょとんとした顔を浮かべ、そしてプルプルと肩を震わせ始めた。


「く、くく……」

「ノームのじっちゃん?」

「くはっはっはっは! まさかあの魔物どもを討ち倒す人間がおるとはな! しかも一人でだと? こいつは面白い!」


 大口を開けて笑い出したノームに、今度はルクスが困惑した顔を浮かべる。


 そんなルクスの反応が面白かったのか、ますますノームは笑い声を上げていた。



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