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佐々木桜と文房具  作者: 豊
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佐々木桜と消しゴム

 俺は何処にでもいるモブの消しゴム、英語でならeraserイレーザーだ。好きに呼んでくれてかまわない。今はとある小学校の教室で待機中だ。待機場所はもちろん机の上だ。




 俺の持ち主である彼女は今算数の勉強中、先生の話を真剣に聞いている。腕を組み、何故か目を瞑っているが、これは彼女が先生の話を聞く時のスタイルだ。クールだろ?




 「この問題が分かる人はいるかな?」先生からの指名を受けないように、他の生徒達は先生と視線を合わせないように色々と工夫しているが、彼女は不動だ。




 「じゃぁ、佐々木さんこの問題の答えは何?・・・佐々木桜さん?先生の声聞こえてる?」




 俺の持ち主である佐々木桜は、先生からの指名にも動じない、腕を組み、目を瞑り、顔は真っ直ぐ。


俺は誇らしい気持ちになる。モブの消しゴムである俺の持ち主は他とは違う。




 そんな事をつらつらと考えていると、先生がすぐ側で目を細めながら、立っている。威圧感は中々にあるが、そんな事で彼女の不動は揺らぎはしない。




 「はぁー、本当に佐々木さんって器用ね・・・佐々木さん!授業中に寝ないの!」




 彼女は先生の声に反応し、素早く立ち上がる、反応速度は中々のものだ、立ち上がった反動で椅子は倒れ、激しい音が教室に響き渡る。俺は今後の展開に胸を躍らせながら静観の構えだ。




 「寝てましぇん!睡眠学習です!!!」目をしばしばしながら眠そうな顔を必死に取り繕い、切れのある反論を先生にぶつけたのだ。甘噛みも最高だ。




 「睡眠学習は寝てるでしょ!」先生の言葉は一つの真実だな、そう俺は悔しくも思ってしまった。



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