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 と、悩んでいたらすぐにやって来てしまった約束当日。放課後である現在、わたくしは殿下に連れられて学園の裏庭の更に奥、森にやって来ていた。


 いるのはわたくしと王太子、そして遠くにお付きの護衛の計3人。いえ、もしかしたらわたくしの見えないところに他にも護衛が潜んでいるのかもしれないけれど、見える限りでは3人だ。


 何が言いたいのかというと。


「うん、ここなら人目がないから、変に注目を浴びることもないよ。安心して召喚してね」

「…ありがとうございますわ」


 この日を選んだのって、もしかしてエリス様が登城する日だったからなのでは…?


 目の前でキラキラ完璧スマイルを浮かべている王太子を前に、そんな疑念を抱いてしまう。


 遡ること今から1時間前。授業が終わり待ち合わせの図書室に行こうとした時、エリス様から告げられたのだ。


「私、今日急遽登城しなくちゃいけないんです〜!この前も登城したばかりなのに、フルール様との2人きりの、2人っきりの時間がぁぁああ…ッ!」


 そう言って、心底悔しそうな表情で、かつ悲しそうに目に涙を浮かべて泣く泣く去っていったのだ。


 ……まさかこの登城が王太子によるものであろうとまでは、さすがに思いたくない。だってそんなことをして、彼にメリットがないもの。


「…ん?どうかした?」

「いえ、なんでもありませんわ。オホホホホ」


 ええ。偶然よ、偶然。


「じゃあ、いつでもいいよ。精霊との契約にはまずは心を落ち着かせることが大切だからね。ロサノワール公爵令嬢がいけそうなタイミングでやってごらん」

「はい」


 兎にも角にも、懸念だったエリス様と王太子の遭遇からの恋仲への発展を防げたのだから良しとする。


 それよりも、今は精霊との契約だ。

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