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ブクマ数が100件を突破いたしました!

ついに3桁…!感慨深いです。。応援してくださっている皆様、いつもありがとうございますm(_ _)m

 考えても、なぜ今回だけ魔法陣が反応したのかはわからなかった。所詮わたくしの頭に入っている知識なんて知れている。魔法陣が反応する時としない時で何が違うのか、本で調べてみることにしよう。


 それよりも、放課後になった今、わたくしは少々辟易としていることがある。


「ロサノワール公爵令嬢が、まさか精霊と契約できないなんて…」

「本当にあの魔法師団長様の妹なのかしら?もしかして、不義の子なのでは?」

「そういえばわたくし、入学式の日にロサノワール公爵令嬢が魔法師団長様の頬に口づけしているのを見ましたわ!もしかして…」


 精霊契約の儀式の後、クラスメイトたちがわたくしを見ながらやたらと囁くのだ。つい先ほどまではわたくしに一目置いていた人たちも、わたくしが精霊と契約できなかったと知った途端これだ。予想できていたことだが、あまりに視線が煩くて嫌になる。


 わたくしとしては、寧ろ不義の子だったらどれだけよかったか。残念ながら実子です。


「な、なんなんですかあの人たち…!フルール様、私、ちょっとがつんと言ってきます!」

「いいのよエリス様、貴族の世界ではこれは当たり前ですわ。実際わたくしは、精霊と契約できなかったんですもの。笑いのネタとしては格好の餌食でしょうね」

「フルール様…ですが…」


 エリス様はチラチラっと噂している令嬢たちの方を見ている。前回同じようなことをしていたわたくしには言い返すことすらできなかったのに、エリス様は優しいのやらなんのやら。


 本人に何もしてこないだけ全然マシというもの。いやまあ、ぜひとも噂しないでいただけるならそれに越したことはないんだけど。


 だってこの噂話がお兄様の耳に入った場合のことを考えると…ねえ?相手の家に何かするのは決まりとして、その火の粉がわたくしにまで降りかかってくる危険があるのですもの。


「あんな下賎な噂が飛び交っている場所に私の可愛いフルールを置いておくことはできない。これからはずっと私と一緒にいようね」


 …なんてことを言うお兄様が容易に想像できる。ついでにサクッと学園も潰しそうだから怖い。もしくは乗っ取りか。


 有り得る。とても有り得る。それはつまり、わたくしの監禁への道が着々と近づいているということでは?何それ怖い全力で回避しなければ。


「ねえ、そこの貴女達」


 思い立ったが吉日。わたくしは、教室を出ようとしていたのを進行方向を変え、例の令嬢達の方へ向かった。


 令嬢達は、まさか自分達の方へ来るとは思っていなかったのか、わたくしが呼びかけたらあからさまに笑顔を強張らせている。


「な、何でございましょうか?」

「…貴女達が精霊と契約できなかったわたくしに対し、どう思っていても興味はございませんけどね」


 伯爵家と子爵家の令嬢。公爵家のわたくしからすれば、随分と身分が低い者達だ。


 威厳を出すため、わたくしはセンスをパッと広げ、口元を隠した。


「どうかそれが、うちの兄の耳に入らないよう注意なさい」

「…あら、それは魔術に優れた公爵閣下が黙っていませんわよという宣戦布告ですか?」

「宣戦布告なんて、どうしてわたくしがそんなくだらないことをしなければならないの。わたくしはただ、親切心から忠告して差し上げているだけですのに」

「…わ、わたくしが宣戦布告するのに値しないと仰るのですか!?」


 リーダー格の伯爵家の令嬢が憤慨し出した。まあ、確かに値しないと思っているけど、すぐ目に見えて怒り出すのは貴族令嬢としていかがなものか。結局はその程度ということなのだろう。


 わたくしは溜息をつく。


「…はあ。理解してくださらないようなので、もっと直接的に言いますわね」

「何を───」

「兄の耳にその噂が入れば、貴女達は無事では済まないと言っておりますのよ。貴女達だけではなく、ご実家にまで何かするでしょうね。そして恐らく、わたくしも監禁されてしまうでしょう」

「なっ…」

「わたくしもね、やっと外の世界に出られたばかりですの。それをこんな噂ごときで監禁されるなんて、たまったものじゃありませんわ。だから、わざわざ忠告して差し上げていますのよ。兄がわたくしを異常に溺愛していることは、さすがにご存じでしょう?」

「………」


 伯爵令嬢もここまで言ってやっと理解したようだ。ちなみに子爵令嬢に関しては先ほどから後ろでずっと顔を真っ青にしている。彼女達のためにもどうか無謀にわたくしに立ち向かうのはやめてほしい。


 あ、わたくしを監禁云々のお話も他言無用でお願いしますわね。残念ながらわたくしには、兄の行動を止める力はないものですから。


 最後にそう言うと、三人は無言でしっかり頷いた。よし、ここまで言っておけば大丈夫でしょう。それを確認し、わたくしはエリス様のもとまで戻る。


「…お待たせしましたわ、エリス様。帰りましょうか」

「は、はい…!フルール様、とっても、とっっっっっっても神々しかったです!私、感動いたしました!あのように堂々と、美しく、気品に溢れて言い返せるなんて…やっぱり私は、フルール様が大好きです!」

「ふふ、褒めすぎですわよエリス様」


 そのままエリス様と教室を出ると、エリス様は凄くキラキラした目でわたくしを讃えてくれた。こ、こんなに賞賛されると悪い気はしないわね。


 沈んでいた気持ちがエリス様のおかげで少し浮上する。令嬢達に言われたこと自体はそんなに気にしていない。それよりわたくしにショックだったのは、あの子達が…前回のわたくしの取り巻きだったことだ。


 前回は、精霊を契約できなくてもわたくしの気品は変わらない〜とかなんとか言っていたくせに、わたくしが王太子の婚約者でなくなったらこれだ。何の因果か、それと同じような言葉を先ほどエリス様が言っていたのがまたおもしろい。


 前回のわたくしには、本当に王太子の婚約者という価値しかなかったのだ。改めてそう認識した。

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