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 …気のせいかしら。王太子の目が、一瞬大きく見開いた気が…。


 だが、目が合った気がしたのも一瞬。王太子はすぐに前を向き、王族らしく堂々とした挨拶を始めた。


 たまたまわたくしが王太子のことを考えていたから、きっと勘違いしてしまったのでしょう。お会いしたこともないのに一介の生徒にすぎないわたくしと目が合うなんて、ありえないわ。


「(……ふう)」


 無意識のうちに入っていた力を抜く。


 でも、ありえないというのは駄目なのだ。わたくしは、なんとしてでも王太子妃を目指さなければならないのだから。


 そのためには王太子との接触は必須。というか、王太子にはそもそも婚約者っているのかしら?わたくし以外の婚約者がいたらそれこそおしまいじゃない!その辺の知識が見事に抜けているから、お兄様の目が届かない学園で仕入れられる情報は仕入れて、行動しなければ…。


 そう。お兄様から離れて自由に行動できる学園での時間は、わたくしにとっては魚にとっての水のよう。この時間を有効に使ってお兄様から逃げ、王太子妃の座を狙っていきたい。


 ということで、今のところわたくしがしなければならないことは一つ。


『王太子と知り合い、婚約者になる』


 もし婚約者がいたら?───わたくしの方が相応しいと思わせて、奪い取ればいい。


 もし婚約者が王太子妃として素晴らしい方だったら?───公私混同するほど王太子をわたくしに惚れさせて、婚約者をわたくしに変えてもらいましょう。


 正直、王太子は愚かではないからどちらも難しいし、なんなら後者は、前回わたくし自身が王太子のその性質に助けられた部分ではあるのだけれど。


 でも、王太子妃くらいじゃないとわたくしを守ってくれる権力はないのだ。何からって、もちろんお兄様から。いるかもしれない婚約者さんには申し訳ないが、国滅亡を防ぐためと思ってどうか許してほしい。あと、わたくしの貞操を守るためにも。一番は、わたくし自身がお兄様に対抗できる力を持てればいいのだけど…まあ、諸々の諸事情によりそれは難しい。


 本当は聖女にも気をつけなければいけないけれど、彼女が入学してくるのは来年。だから今年は、王太子の婚約者になることだけに集中していればいいのだ。


 ───よしっ、聖女が入学する前にやれることはやりますわよ!


 そうこう考えているうちに王太子の挨拶は終わり、入学式も終了した。会場を後にしたわたくしは掲示板に張り出されていたクラス分けを確認して、前回と同じCクラスに向かう。


 痛手なのは、王太子はSクラスでクラスがかなり離れてしまっていること。同じクラスならすぐに接触できたのに…クラス分けは入学テストの成績順だから、こればっかりはどうにもならない。もう少し前に逆行できていたら、必死にお勉強を頑張ったのだけど…本当、お兄様と違ってなんてタイミングの悪い逆行なのかしらと、わたくしを逆行させた張本人であろう人物を恨む。


「(ああ…そうそう、ここよ。ここに通っていたのだわ)」


 Cクラスの前に来ると、一年前までここに通っていただけあってちょっと懐かしく感じる。二年生の教室はまた遠く離れているため、全然来ていなかったのだ。そんな気持ちで、ちょっとわくわくしながら教室の中に入ると…。


「ふ、フルール様…!」

「え…?」


 名前を呼ばれたので、そちらを向く。


 するとそこには、感激したように両手で口を覆っている、今はまだいないはずの聖女の姿があった。

聖女登場。やっと乙女ゲーム要素を出せる、はず…!

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