2話 それほど甘くはない
「あー、疲れたー!」
「こっちのセリフだよ」
あぁ、結局ゲームをやることになったけど、僕はゲームなんて触ったこともないし、なんなら直に見たこともないかもしれない。
「よし!早速ゲームするぞー!」
「今さっき疲れたって言ったじゃないか」
「ゲームはベルばら!」
別腹だろ。なんで漫画になるんだよ。
「よし!最初はこれだ!」
「なんだこれ?有名なやつか?」
ゲームをやったことはないが、CMとかで目にする機会はある。でも、これは見た事がない。
「いや、そこまで有名でもないけど……でも面白いんだ!」
「ふ〜ん、そうなんだ」
「じゃあ早速やってみよう!」
「ちょっと待て。なんの説明も無しか?」
「え、ゲームの操作の仕方わかんないの?」
「当たり前だ!一度もやった事ないんだから」
「よし、ここはケイゴ先輩が教えてあげよう!」
いや同級生だろ。
先輩って言われたいだけだろう。
しばらく操作方法を教わって、やっとゲームを始める事ができた。
「よ〜し、じゃあツムの初ゲームスタートだ!」
はぁ、まぁやってみるか。
「しっかり楽しめよ!」
「初心者に楽しめもなにもないだろ……」
とはいえ、せっかくだし、少しは楽しめるといいな。
「ほんと、楽しめよ……」
なぜか一瞬だけケイゴが優しい顔をしたような気がした。
僕の人生はゲームを楽しめるほど甘くはないと言う事だろうか
ゲームをスタートしたはずの僕の目の前にあったのは画面ではなく…………
荒れ果てた土地だった




