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10話 帰る道
『なぁ、スバル』
「……」
『?、スバル?』
「?、……あ、あぁどうした?」
『……』
「ジュン?」
『……ツム』
「!」
なぜジュンが僕の名前を?
『なぁ』
まずい、偽名だとバレたか?
正直に話してればよかったかな……。
「な、な、なんだ?ど、ど、どうした?ジュン?」
『ツムツムって知ってるか?』
「……へ?」
『いや、ツムツムっていうゲームがあってだな』
「へ、へぇそうなのか〜。いやぁ知らないなぁー」
『……そうか』
セーフ!バレてない!
ていうかツムツムっていうゲームがあるのか
紛らわしい名前だなぁ
『そうか、そういうことか』
「どうした?ジュン」
『いや、なんでもない』
「?、そうか」
それから少し話していたとき
「そういえば本の姿はそのままなのか?」
『それは大丈夫だ。帰るときに元の姿に戻れる』
「……帰るときって……まさか帰る方法がわかるのか⁉︎」
『ああ、そうだな』
「じゃ、じゃあ……」
『ただし』
「?」
ジュンはもったいぶるように、ためてから言った……
『帰れるのはどちらかだ』