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神の使徒になりました。  作者: KEMURINEKO
第2章 領主そして建国。
20/77

第20話 科学者と銭湯と。

お読み頂き有り難う御座います。


第20話です。

パーティーの日取りが決まり、女王陛下を招待する事が決まってから数日間、朝夕の食事はパーティーに出すメニューの試食会となっていた。


メニュー作成にはザックがジーナに提案して、ジーナが料理として形にする。


味の微妙な加減を全員で意見を出し合って調整する事で万人受けにする様にした。


現在決まったオードブルメニューは18種で、デザートが7種。


ドリンクメニューはアルコールメニューが8種にノンアルコールが4種と紅茶だ。


物量から考えてもこの辺が限界だろう。


ザック:『料理はジーナとフェルテが作るんだな?それじゃあリビングをサリーとローラに頼むよ。庭はメルとアンで俺がエントランスをやる。』


庭の花壇の一部は移植してスペースを確保してある。


エントランスはトレーラーとモービィの展示スペースを除いては立食スペースにする予定だ。


ザック:『さて、これで一段落ついたかな?』


アン:『庭も出来たわよ。テーブルは足りる?』


ザック:『倉庫にガーデンテーブルが沢山有ったから、後で綺麗にしとくよ。』



パーティーまであと3日なので、サリーと足りない物を買い出しに行く。


ザック:『食材の手配は済んだの?』


サリー:『はい、前日に全部入ります。飲み物に関しては酒類は今日の夕方に、果実水は明日に入ります。食器類は昨日届いていますので、此方は全て大丈夫ですね。』


ザック:『外で使うランプやかがり火の準備はしてあるし、ベンチとクッションも準備したから後は日除けぐらいかな?』


サリー:『日除けのタープはもう来てますよ?女王陛下用の休憩室はリビングの隣の部屋にしましたけど宜しかったですか?』


ザック:『良いんじゃないな?それじゃあちょっと奴隷商に行くか。』


サリー:『例の技術者ですか?』


ザック:『そう、整備や修理だけじゃなくて、こっちでも何か開発出来ると今後役に立つだろ?裏庭に工房を作って自由に研究出来る環境が有れば成果が期待出来るからね。』



2人は奴隷商にやって来た。



セデス:『ザックさん、週末のホームパーティーへの招待有り難う御座います。今日はどの様な御用件でしょう?』


ザック:『どうか気楽に来て下さい。今日は相談がありまして、実は北方大陸のモービィを整備出来そうな技術者を探しているんですが。』


セデス:『技術者ならうちにも4名おりますよ?内1人は開発者と言うか自分では科学者だと言っておりますが・・・。』


ザック:『その人に会わせて貰えますか?』


セデス:『畏まりました。』


奥の部屋で待っていると、想像したより若い女の子が出来た。


リアス:『科学者のリアス、15才です。』


ザック:『君はモービィの整備や修理は出来るかい?』


リアス:『そんな単純な事ならいつでも出来ますよ?』


ザック:『では研究開発には興味あるかい?』


リアス:『っ!!た、例えばどんな!?』


ザック:『そうだな、例えば2輪車や飛行機、後は武器や兵器とか?』


リアス:『2輪!?飛行機!?武器!?兵器!?く、詳しく聞きたいです!!』


ザック:『じゃあこの武器を見てくれ。』


ザックは自分の銃をテーブルに置いて見せた。


リアス:『これは・・・なるほど、ここがこうなって・・・こんなに進んだ武器見た事無い・・・主様!私にこんな物やさっき言っておられた様な物を研究させて下さるのですか!?』


ザック:『それは君次第だ。当然材料や魔動装置の伝がある訳じゃ無いから、君の知り合いや交友関係を頼る事になるが、それさえクリア出来れば、近い内にうちの屋敷の裏庭に工房を作ってやろう。もちろんモービィの整備や修理をする事が前提になるが。』


リアス:『やりたい!是非ともやらせて頂きたいです!』


ザック:『良し、なら俺の言う事を聞いて他の使用人やパーティーメンバーとも仲良くやる事が条件だ。出来るかい?』


リアス:『はい、皆様のお役に立てる様に頑張ります!』



こうして技術者・・・もとい科学者が仲間入りした。



サリーに頼んで下着や私服や作業服を買ってもらい屋敷に戻ると、他の新人同様の反応を見る事になる。



リアス:『す、凄い御屋敷ですね!?あっ!こ、これ!キャラバンじゃないですか!凄い!普通の奴より色々手が入ってる!このモービィも特別製の高速仕様!しかも魔力量制御式でリミッターが無い!凄い!凄い!』


ザック:『落ち着け!とりあえず皆に紹介するから!』


リアス:『す、すいません!つい・・・。』


屋敷に入り、全員を呼んでリアスを紹介する。


その後屋敷の説明やザックに関する説明をした後、週末のホームパーティーの話をした。


リアス:『主様!主様は凄過ぎです!科学に精通しているだけで無く、神様に選ばれし御方だったのですね!』


ザック:『まぁ言ってもただの冒険者だ。ランクがゴールドだったり二つ名持ちだったりするが、基本的には普通の男だ。リアスも他の使用人同様に奴隷としてでは無く、1人の女の子として扱うつもりだからな。』


リアス:『っ!!は・・・はい。』


『それと週末のホームパーティーでは高貴なお客様が来るから、粗相の無い様にしろよ?』


リアス:『はい!気を付けます!』


そしていよいよホームパーティーの前日になった。


リアス:『ザック様、モービィの部品関係の商人が王都の外れに居る事が分かりました。』


ザック:『本当なのか?この国にはモービィは無いのに部品なんて扱っても商売にならないだろうに。』


リアス:『実は馬車にも結構モービィの部品が流用されているんですよ。』


ザック:『それなら今後の為に関係を作っておく必要はあるか・・・。リアス、行ってみる?』


リアス:『宜しいのですか?』


ザック:『必要そうな物も買わなきゃだろ?転移魔法で王都まで行けば、それほど時間も掛からないだろうし。』


リアス:『ザック様が宜しいのでしたら行きましょう。』



2人は王都に転移した。



商人ギルドで店の場所を聞いて馬車で行く。


目的の店に着くと、ドワーフの男性が出迎えた。


店主:『何か用かい?』


ザック:『モービィの部品を扱ってるって聞いたんだけど。』


店主:『おたくモービィ持ってんのか?』


ザック:『あぁ、頂き物だけどね。一応特別製の高速仕様なんだが、魔動装置や他の部品が手に入ると良いなと思って来たんだよ。』


店主:『魔動装置は注文すれば新品が手に入るぜ?他の部品は在庫で良けりゃ、安くしとくよ。』


ザック:『リアス、どうだ?』


リアス:『今すぐ必要な訳ではないですが、ジョイントと数種類のアームは買っておいても良いかも知れないですね。』


ザック:『という事だ。この子が見繕うから選ばせてやってくれ。』


店主:『あいよ。じゃあこっちだ。』



数種類の部品を購入して今後付き合う事を告げてから屋敷に戻った。


リアス:『あの店は結構良心的な値段ですね。取引相手としても悪くは無いと思います。』


ザック:『そうか、ならパーティーが終わったら直ぐに工房と倉庫を作ってやらなきゃな。』


リアス:『有り難う御座います!』


アン:『あ!ザック!そろそろ庭の支度手伝って!』


アンが庭の奥から呼び掛けて来た。


ザック:『今行くよ!それじゃリアスは他の手伝いに回ってくれ。』


リアス:『はい!』


パーティーの準備は滞りなく進み、後は御客様を迎えるだけになった。



リビングがパーティールームになったので、待女用の大部屋をリビング代わりに使う。


この屋敷が持ち家になって直ぐにこの部屋は改装した。


我が家の使用人達には自室を持たせているので、プレイルーム的な部屋にしたのだ。


仕事の都合上、ジーナ・フェルテ・ノエルの3人は自分達からの希望で共同部屋になっている。


御客様が泊まりに来ても使える寝室があるので問題無い。


この屋敷には元々来客用の寝室もある。


今後人数が増えても増築出来るだけの土地的な余裕もある。


驚いた事にリアスは建築設計の資格を持っており、科学者をやる傍らでそっちの仕事をして稼いでいたそうだ。


ザック:『じゃあリアスは自分で工房を設計するのか?』


リアス:『自分の使い勝手が良い様に作るならその方が楽ですね。大掛かりな設備を入れる事や今後大きい物を作るなら、その方が後々良いと思います。』


ザック:『それなら、その前にやって欲しい事があるんだけど良いかな?。』


リアス:『何ですか?』


ザック:『裏庭の一部に大きな浴場を作りたいんだ。』


リアス:『それは大衆浴場的な奴ですか?』


ザック:『うん、屋敷の裏庭の奥は通りに面してるだろ?そこに建物を建てて大衆浴場を作れば、この町の人達に使って貰えると思ってさ。』


リアス:『そういう事なら、安い金額で利用出来る様にすれば討伐帰りの冒険者さんとかに使って貰えそうですね。・・・良いでしょう。土地はザック様の物なので、ギルドで建築許可さえ取れればイケると思います。』


アンが首を捻りながら聞いてきた。


アン:『ねぇザック、それって大きなお風呂を作るって事?』


ザック:『そう、この町の宿屋にはムーランと違って風呂が無い宿屋も多いだろ?女性の比率も多い町だから、出来るだけ健康的な生活を送って貰いたい。果実水2杯分位の料金なら、より多くの人達に使って貰えそうだしね。』


アン:『それ良い!みんなで入れるお風呂とか凄い!』


ローラが驚いた顔で聞いて来る。


ローラ:『ザック様の居られた世界には普通に有ったのですか?』


ザック:『うん、リアスも知ってたって事は北方にもあるみたいだね。』


リアス:『はい、北方は夜が冷えますからね。お風呂で温まって交流するのは普通ですよ。』


ザック:『掃除や各種の点検はみんなでやるとして、お湯の問題は魔動機を使えばいいかな?』


リアス:『そうですねあの店にリアクターが有りましたからそれで沸かせると思います。』


ザック:『そうと決まれば明日のホームパーティーで発表する事にしよう。』


ジーナ:『私からも提案があるのですが・・・。』


ザック:『なんだ?』


ジーナ:『それなら大衆食堂を併設してはどうでしょう?ムーランでは日中に食事を出していませんよね?同じ調味料を使えるなら此方で昼間に食堂を開けば、私の空き時間を使えますし一石二鳥かと思うんですが。』


ザック:『お風呂に来る人達に食べてもらう・・・か。それならジーナだけじゃ大変だろ?他にも人を雇う事になるな。』


ジーナ:『それなら商人ギルドで料理人の募集をすれば、何人かは集まると思います。問題はホールですかね。』


ザック:『それならセルフサービスって方法が有るよ。』


ジーナ:『セルフサービスって何ですか?』


ザック:『あらかじめ決まったメニューの料理を何点も並べて値段を設定する。お盆を自分で取って、好きな料理を自分で選んで取ったら前金で払って貰うんだ。食べ終わったら厨房脇の下げ善口に出して貰う。こうすればホールの人は最小限で済むはずだ。』


ジーナ:『それ凄く画期的なやり方ですね!もしかしてザック様の世界にあるんですか?』


ザック:『俺が住んでた所の大衆食堂はこの方法を使ってたよ。』


ジーナ:『なるほど、いけそうですね。そうすればザック様達が旅に出られている間もやれる事が出来ますし。』


ザック:『ジーナ・・・まさかそれを気にしてたのか?』


ジーナ:『あ、いえ、何と言うか、自分達でも何かやれる事がないかな?・・・と思いまして。』


ザック:(あ、そうか、やっぱり結構気にしてたんだな。この子達は少しでも負担を減らしたいっておもってたんだな。)


ザック:『良し、その事はジーナに任せるよ。フェルテやノエルも協力してやってくれ。でも本業を疎かにはするなよ?』


ジーナ:『もちろんです!』



こうして新たな計画が出来た。



自分なりにこの世界に対して出来る事、この子達にしてやれる事をもっと考えなければ・・・。


お読み頂き有り難う御座いました。

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