第19話 ノエルの初めてとパーティー準備と。
お読み頂き有り難う御座います。
第19話です。
・・・重い。
何かが腹の上に乗っかってる。
目を開けて見ると、そこには可愛らしい女の子が眠っていた。
昨日屋敷に来たばかりのノエルだ。
ザック:(なんでノエルがこんな所で・・・。)
コンコンッ
ドアがノックされたので返事をするとサリーが入って来た。
サリー:『やっぱり此処に居たんですね?』
ザック:『ノエルどうしたんだ?起きたらこの状態だったんだけど。』
サリー:『昨夜ジーナとフェルテからザック様の事を色々教えられたそうで、朝一番に御挨拶したいと言って無理に早起きしたそうなんですよ。』
ザック:『・・・もう少しこのままにしてやろうよ。』
サリー:『宜しいのですか?』
ザック:『目が覚めた時に俺が居た方が安心するだろ?』
サリー:『・・・それでは私は行きますね。』
サリーが部屋から出て行き、しばらくするとノエルが目を覚ました。
ザック:『おはよう、ノエル。』
ノエル:『っ!!おっ!おはようございます!わ、わ、私ったらなんて事・・・。』
ザック:『あはは、気にしなくて良いよ。可愛らしい寝顔も見せて貰えたしね。』
ノエル:『っ!!は、恥ずかしいですぅ。』
ザック:『そろそろ起きても良いかな?』
ノエル:『っ!!ごっごめんなさい!!あっ!!』
ノエルはぽてっと後ろにひっくり返ってしまった。
手を貸して起こしてやると、ノエルが固まってしまった。
そのまま優しくぎゅっと抱きしめて声を掛ける。
ザック:『焦らなくて良いんだよ?ゆっくり馴染んでくれれば良いんだからね?』
そう言うとノエルは安心した様な声で言った。
ノエル:『・・・はい。』
リビングへ行きいつものティータイム。
ノエルにとっては初めての経験だ。
手持ちぶさたな素振りをしながらもサリーやフェルテが寛いでいるのを見ると、自分の置かれている環境に気付く。
フェルテが席を立ちノエルに手招きをすると、2人でキッチンへと向かう。
ローラは気を使ってリビングに残った。
ノエルの仕事を奪ってはいけない事を理解しているらしい。
その後みんなで朝食を取る。
奴隷・主・パーティーメンバー。
同じ席、同じテーブル、同じメニューを一緒に。
その光景はノエルにとっては夢の様な空間だった。
皆が笑顔で楽しそうに囲む食卓。
今の今まで経験した事の無い温かい食卓。
そして気付く。
ノエル:『・・・とても美味しい。』
今まで味わった事の無い深い味わい。
昨夜フェルテとジーナから聞いた話を思い出す。
かつてザック様の住んでいた世界の不思議な調味料。
ザック様が神様の使徒としてこの世界に来て、自分達に与えてくれた祝福。
奴隷の身で有りながら、1人の人間・1人の女性として大切に扱って下さる。
絶望の淵から救い出し、人として当たり前の幸せを与えて下さる。
ジーナとフェルテが彼女に伝えた内容は明らかに美化されたものだが、内容的には間違ってはいない。
食後はフェルテ・ジーナと3人で洗い物をする。
他の主の元ならば私語は禁止。
でもこの屋敷では会話を弾ませながら洗い物をする。
洗い物が終わるとリビングでのティータイム。
ザックが戸棚からお菓子とティーカップを出し、サリーが紅茶の準備をする。
執事であるサリーにお茶の準備をして貰う事に戸惑うが、出されたお菓子の美味しさに我を忘れる。
ノエル:『ザック様!こ、これ!凄い!凄く美味しいですぅ!』
ザック:『それは良かった。まだあるぞ?』
そう言うとザックはもう3枚ほどクッキーを出す。
この屋敷では少々の我が儘は許して貰えるのだ。
他の使用人達やパーティーメンバーもそれを咎めるどころか、むしろ微笑ましい目で見てくれる。
ノエルはこの優しい空間が夢で無い事を神に祈った。
そんな不安を抱いていると、それを察してかサリーが声を掛ける。
サリー:『ノエル、この御方が貴女の主様です。貴女はこの御方に買って頂いた幸運と幸せを、貴女自身の態度で御返しするのです。大丈夫、ザック様は私達に甘えさせて下さいますよ。』
ノエルは冷静にサリーや他の使用人を見ると、自分の不安が無用な事だと気付く。
ザック:『ノエルに町を案内するから、フェルテも一緒に行こう。よく利用する店とか知っといた方が良いだろ?』
ザックに連れられて町を歩く。
フェルテはメイド服から私服に着替えている。
パッと見では誰も奴隷だとは思わない。
ノエル:『フェルテさん、私服って結構着られるんですか?』
フェルテ:『えぇ、お出掛けする機会も結構ありますし、メイド服では失礼にあたる事も有りますからね。』
フェルテがよく利用する店でノエルを紹介する。
3人で歩いていると結構な数の人がザックやフェルテに声を掛けて来る。
ザックだけならともかくフェルテに対しても声を掛ける人が多いのだ。
ノエル:『あのぉ、フェルテさんはどうしてお知り合いが多いんですか?』
フェルテ:『私は何かと買い付けとかで出掛ける事が有りますからね。』
ノエル:『え・・・自由に御屋敷を出歩いていらっしゃるのですか!?』
フェルテ:『そうしないと御買い物出来ませんよね?』
ノエル:『ザック様は奴隷が自由に出歩く事を御許しになるのですか?』
ザック:『家の中にばかり居ても退屈だろうし、良いと思うよ?』
ノエル:(違う・・・。やっぱり今までの、私の知ってる主様達とは違う!)
途中3人で果実水を飲みながら休憩する。
フェルテ:『ザック様、あそこのパイが美味しいらしいですよ?』
ザック:『なら今度おやつに買って行こうか。』
フェルテ:『でしたら私はスパイス入りのが食べたいです♪』
ザック:『え?スパイス入りって美味しいの?』
フェルテ:『美味しいですよ!結構人気があるんですよ?』
ノエル:(何この会話?まるで恋人みたいじゃない!ちょっと!?こんな事も許されちゃうの!?)
ザック:『さて、屋敷に戻るか。』
屋敷に戻るとザックはダイソンに持って行く荷物をまとめる。
モービィに積み込むとジーナと2人で出発した。
ノエル:『サリー様、ザック様って何であんなに奴隷に御優しいんですか?』
サリー:『それはザック様だからとしか言えませんね。この世界に来られた使徒様がもし別の方なら、私達の今は別の今だったでしょう。』
ザック達はモービィでムーランへ向かった。
町中では皆が見慣れない乗り物に振り返る。
ムーランの前に停車すると直ぐに人だかりが出来た。
ダイソン:『おや、ザックさんにジーナちゃんじゃないか!何か凄いのに乗って来たね?』
ザック:『こんにちは、今日はこれを持って来たんですよ。』
モービィから大きな段ボールを降ろす。
ダイソン:『ザックさん、これはもしかして・・・。』
ザック:『はい、大量に届いたんでお裾分けです。』
ダイソン:『でもこれ、相当な数ですぜ?本当に貰って良いんですかい?』
ザック:『どうぞ貰って下さいよ。あまり多いと、家でも使う前に悪くなっちゃうんで。』
ダイソン:『それなら遠慮無く頂きます。そんでその乗り物は?』
ザック:『これは北方大陸で使われてるモービィって乗り物を改造した物です。』
ダイソン:『聞いた事はありますね。うちに北方から来たお客様が居まして、その方はこっちにモービィが無いから不便だって言ってましたよ。』
ザック:『そうでしょうね。これがあると旅はかなり楽になると思いますよ。あ、そうだ、今度うちでホームパーティーやるんでメリアと2人で来て下さいよ。ジーナお手製の料理もたくさん出ますんで。』
ダイソン:『そりゃ嬉しいですね!是非行かせて貰いますよ!』
ザック:『日取りが決まりましたらお知らせしますんで。』
ダイソンがモービィを眺めていると、メリアがやって来た。
メリア:『あら、ザックさんにジーナさん、これは何ですかぁ?』
ザック:『これはモービィって乗り物で、早く移動するのに便利なんだよ。』
メリア:『ザックさん、これだとリースまでどれくらいで行けますか?』
ザック:『普通の速度で走れば1時間ぐらいかな?』
メリア:『出来たらリースまで乗せて行って欲しいと思ったんですけど・・・。』
ザック:『構わないよ?ジーナ、戻るまでダイソンさんを手伝ってて貰えるか?』
ジーナ:『はい、畏まりました。』
メリアを乗せてリーンへ向かう事にした。
ザック:『もしかしてリースの教会?』
メリア:『はい、私は元々リースの出身なので。』
それならと、一度屋敷に戻りお菓子を数袋持って来た。
メリア:『噂では聞いてましたけど、こんな凄い御屋敷だったんですね・・・。』
ザック:『初めて見たらビックリしちゃうよね。』
メリア:『サリーさん達も元気そうでしたね。』
町中では速度を控えめにしていたが、街道に出ると速度を上げた。
メリア:『凄く速いんですね!馬車とは比べ物になりませんよ!?』
ザック:『そうだね。今でも馬車の三倍以上は出てるからね。』
丘を越えて林の中を走ると、メリアも段々慣れて来た様だ。
メリア:『この乗り物って王国では売って無いんですか?』
ザック:『北方大陸にしか無いみたいだね。もっと普及しても良さそうなんだけどなぁ。』
そんな話をしているとリースの町が見えて来た。
メリア:『え!?もう着いたんですか!?』
だいたい45分程で着いた計算だ。
教会前にモービィを停めて、お菓子を運ぶ。
シスター:『メリアなの!?』
驚いて出て来たのは教会のシスターだ。
メリア:『シスター・アンナ、此方はアーデンの冒険者でザックさんです。』
ザック:『はじめましてシスター、ザックと言います。』
アンナ:『ザックさんって、あのアーデンのザックさんですか!?メリア、どういうお知り合いなの!?』
メリア:『以前私が働いてる宿屋に長期でお泊まりになられていたんですよ。』
アンナ:『そうだったんですか、 それでメリア、今日はもしかして薬草を?』
メリア:『はい、お届けしようとしていた矢先にザックさんがいらっしゃったので乗せて頂いたんです。』
ザック:『ついでと言っては何ですけど、孤児院のお子さん達にこれを。』
ザックがお菓子を手渡すと、中から神父が出て来た。
アンナ:『神父様、此方の方から孤児院の子供達にこんなに・・・。』
神父:『有り難う御座います。きっと子供達も喜ぶと思います。はて?貴方はどこかで・・・。』
ザック:『はじめまして神父様、アーデンの冒険者でザックと申します。』
神父:『おぉ!あの盗賊を退治して下さったザック様でしたか!その節は有り難う御座いました。お陰でアーデンにも行きやすくなりましたし、なんとお礼を申し上げて良いやら。』
ザック:『いえいえ、お気になさらず。それでは私はちょっとギルドに行って来ますので。メリア、用事が済んだら冒険者ギルドに来てくれないか?』
メリア:『はい!ではまた後で。』
そう言うとザックはモービィでギルドへ行った。
ギルドの前にモービィを停めると、直ぐに冒険者達が覗き込んでいた。
リサ:『ザック様!?』
リサとエミリアが駆け寄って来た。
ザック:『よう、元気そうだな。』
エミリア:『今日はどの様な用件で?』
ザック:『実は今度ホームパーティーをやるんだが、お前達の事をすっかり忘れててな。一応予定を聞いておこうと思ったんだ。』
その話をするとギルド内がざわついた。
リサ:『私達はいつでも大丈夫です!』
エミリア:『ご招待有り難う御座います!』
ザック:『そうか、じゃあ日取りが決まったらまた連絡するよ。』
≪はい!楽しみに待ってます!≫
リサ:『所で・・・これは?』
ザック:『これは北方大陸で使われてるモービィって奴だよ』
リサ:『そうなんですねぇ・・・ん?北方から来た奴いますよ?アイラ!ちょっときてくれる?』
リサが呼ぶと奥から女性の盾剣士がやって来た。
アイラ:『何よ?ってえぇ!?これモービィじゃない!?しかも特別製の高速仕様!?』
リサ:『此方のザック様の物だ。ザック様の話はしたでしょ?』
アイラ:『あ、貴方がアーデンのザック様ですか?私はリーン所属のアイラです!・・・で、このモービィをどちらで?』
ザック:『はじめましてアイラ。これはとある方から頂いたんだ。キャンピングトレーラーと一緒にね。』
アイラ:『それってもの凄い富豪が持ってる奴ですよ!?北方の帝国でも10人持ってるかどうか・・・。』
ザック:『だよなぁ、貰っといて言うのもなんだけど、身分不相応な感じはしたんだよ。』
アイラ:『いや、でもザック様って名誉騎士団なうえに最高位勲章をお持ちなんですよね?しかも最近ゴールドに昇格して二つ名まで頂いたとか。その様な方なら、持っていても誰も文句は言いませんよ。』
ザック:『一つ聞きたいんだけど、コイツを整備出来そうな人知らないか?機械は結構得意な方なんだが、魔道具となるとサッパリでさぁ。』
アイラ:『整備かぁ・・・ザック様って奴隷とか持ってたりします?』
ザック:『あぁ、うちの使用人達は奴隷だからな。』
アイラ:『最近、北方の技術者の奴隷が結構多いらしいので、商いをしている技術者に頼むよりは技術者の奴隷を買われる方が、長い目で見るとお得かと思います。』
ザック:『なるほどなぁ・・・。』
(待てよ?屋敷の敷地って裏庭も有ったよな。技術者の奴隷を買って工房を作れば、今後何かと役立つかもな・・・。)
ザック:『貴重な情報有り難う。そうだ、良かったらアイラもうちのホームパーティーにリサ達と来ると良いよ。』
アイラ:『え!?御呼ばれして良いんですか!?』
ザック:『リサやエミリアと仲も良さそうだしな。』
アイラ:『有り難う御座います!』
程無くしてメリアが教会での用事を済ませて来た。
ザック:『じゃあ戻ろうか。』
2人はアーデンに向けて出発した。
ムーランでジーナを拾ってから自宅に戻ると、アンとメルを呼んで王都まで転移魔法で飛んだ。
王都のギルドに着くと、ギルド長が声を掛けて来た。
ギルド長:『ザックさん、ゴールド昇格と二つ名襲名おめでとうございます。此方にはいつ?』
ザック:『たった今ですよ。それよりクイーンズエレメントの方は居ますか?』
ギルド長:『えぇ、エルザ!【ロードズ・ブレイヴ】がいらしゃってますよ!』
エルザ:『え!?ザックさん!?どうされたんですか!?』
ザック:『実は今度うちでホームパーティーをする事になって、ご招待しようと思ったんですが予定を聞いておこうかと。』
エルザ:『御招待頂けるのですか!?私達はいつでも結構です!』
ザック:『では日取りが決まりましたらまたお知らせにあがりますので。メル、ちょっと街を見て来るから久しぶりにエルザさんと話したらどうだ?』
メル:『宜しいのですか?』
ザック:『構わないよ。後で迎えに来るから。』
メル:『では御言葉に甘えさせて頂きます!』
アンと2人で街をブラつく。
せっかく王都に来たのだ。
パーティーに使えそうな物や、お互いが欲しい物を買い物しよう。
アン:『ねぇねぇザック!エルフの店があるわ!』
ザック:『覗いて見るか。』
久しぶりのデートにアンのテンションが上がっている。
ザック:『なぁ、これって何に使うの?』
アン:『それは弓の弦を調整するのに使うのよ。そうだ、それも買っておくわ。』
そんな感じで王都のショッピングを楽しんだ。
パーティーに必要な物だけでも結構な量になってしまった。
メルを迎えに行って屋敷に戻ると、全員でパーティーの日取りを決め始めた。
宿屋であるムーランは、その日の夕食を無しにして知り合いが宿の仕事を代わってくれるらしい。
兵士団長と騎士団長はその日のスケジュールを優先的に空けてくれるそうだ。
他の人達は特に予定が無いそうなので、他の人達に合わせてくれる。
『という訳で来週末にパーティーをする。各自準備を怠らない様に!』
夕食前に庭とエントランスを片付ける。
パーティー当日になってから慌てない為だ。
メルとノエルが手伝ってくれた。
ザック:『やっぱりトレーラーは邪魔かな?』
メル:『当日は展開して、お客様に御覧になって頂いたらどうでしょう?』
ザック:『見せびらかすのも少し嫌味じゃないか?』
メル:『いいえ、恐らく王国に1台しかありませんし、もしかしたら北方から輸入したいと言う方もいらっしゃるかも知れませんよ?』
ザック:『でも来る人達は殆どが冒険者だぞ?うちみたいに稼ぎが多い人達ばかりじゃ無いからなぁ。』
メル:『そこで提案なんですが、御忍びで女王陛下を御呼びになられては如何かと。』
ザック:『メル、マジで言ってんの!?』
メル:『恐らくこのパーティーの事は王宮にも知れ渡ります。後から何故呼ばなかったと責められる位なら呼んでおいた方が良いかと。』
ザック:『・・・メル、一緒に王宮に行って説明しろよ?』
メル:『い、良いでしょう。』
ノエルにジーナの手伝いをさせて、ザックはメルと王宮に転移した。
ベルクレア:『おぉ!これはこれはザック様、メリアル殿もお元気そうで。』
ザック:『女王陛下と王女殿下もお元気そうで何よりです。実はこの度私の屋敷でホームパーティーを開く事になりまして。』
ベルクレア:『何やら楽しそうじゃのう!妾達も招待して貰えるのか?』
メル:『あくまでも下々のホームパーティーですので、出来ましたら御忍びでいらして頂きたいのです。』
メルがそう言うと女王は目を輝かせて言った。
ベルクレア:『良いのう良いのう!で、妾達を招待するとは何やら見せたい物でもあるのかえ?』
ザック:『実は北方の乗り物を手に入れまして、是非とも御覧に入れたく思って招待させて頂いた次第です。』
ベルクレア:『話には聞いた事があるのう。魔力で動く乗り物があると。それをザック様は手に入れたと?』
ザック:『はい、例の神託の褒美として。』
ベルクレア:『そ、それは誠か!?是非!是非見たい!!』
ザック:『それでは来週末に御迎えにあがりますので、大臣や御付きの方々には良しなに伝えて頂きたく思います。』
・・・。
ザック:『という訳で、女王陛下と王女殿下も来る事になってしまった。』
夕食の席でザックが言った一言に、全員の手が止まった。
使用人達の顔は蒼白となり、パーティーメンバーは顔が引きつっている。
ザック:『全部メルのせいです!俺のせいじゃないからね!』
メル:『ザック様だって賛同したじゃ無いですか!』
アン:『ちょっとどうすんのよ!?こっちの兵士団長や騎士団長も来るのよ!それに他の冒険者とか固まっちゃうじゃないのよ!』
ザック:『そこはほら、あくまでも御忍びだから。』
ローラ:『隠し切れるはず無いじゃないですか!』
フェルテ:『私達だってどの様にもてなして良いか解りませんよ!?』
ザック:『まぁ何とかなるだろう?』
こうしてパーティーの準備は進められた。
お読み頂き有り難う御座いました。