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宇宙(そら)駆けるは帝国海軍駆逐艦! 今なら、もれなく美少女もセットです! 明日の提督は君だっ!  作者: MITT
第二部「折り重なる世界」

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第十二話「戦闘空母信濃! 抜錨しますっ!」④

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第十二話「戦闘空母信濃! 抜錨しますっ!」④

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「ぐぬぬ……人が黙ってれば、好き勝手ペラペラと……カドワキさん、たった今この瞬間にあなた方は我が社を完全に敵に回したわっ! 見てなさい! 絶対、吠え面かかせてやるんだから!」

 

「敵に回すも何も、昔から俺達はライバル社同士! 喧嘩上等だってぇのっ! それにしても、オタクら……武蔵もビスマルクも素のままって、偉そうなこと言うくせに、改造すらしてやってねぇのかよ。まぁ、泥縄式で大慌てでスポンサー契約結んだみてぇじゃねぇか。そんなんじゃ、うちの連中に勝てねぇぞ? ……あいつらだって、格上の戦艦に挑むんだからな。勝算があるからこそって、思わねぇのか?」

 

「ふん……戦艦を甘く見てるのは、そっちじゃないのかしら? 小細工なんか正面から粉砕して勝つ……と行きたいけど、ちゃんとこっちも色々用意してます。うちは情報戦も得意としてるんですからね……前々から第二艦隊も第五艦隊も提督に色々コナかけてたんですよ! 新型の秋茜って戦闘機の事言ってるのでしたら、あれは大した問題にならないって言っておきますよ。なにせ、我が社はあの駆逐艦初霜から最先端の対空戦闘ドライバを入手したんですからね。それに、うちも今回新兵器を投入しますからね……ほら、始まりましたよ」

 

 エリコ嬢に促されて、武蔵とビスマルクの中継モニターを見ると、その最後尾の第4砲塔が動作し始めていた。

 よく見ると砲身の形状がコの字が向き合ったような特異な形状になっていた。

 

「エリコ嬢……これはいったい?」


「……今回、両艦とも第4砲塔を電磁カタパルト射出台へ改装いたしました。外観上は当人達の希望もあって、そのままですが……その気になれば電磁投射砲としても応用できる優れもの! その名も、Type-R空間機動砲システム! 武蔵さん、ビスマルクさん! 全機展開ですっ! お披露目お願いします!」

 

 慌てて、上空展開しているドローンのカメラを最大望遠で両艦へスポットする。

 

 次から次へと砲弾のように、円錐形の機体が射出されていく。

 その数、両艦合わせて約30機!

 

「……これはギガンテス級大型宇宙空母のリニアカタパルト技術の応用ですかね? しかし、その……Type-R空間機動砲システムとは一体どのようなものなのですか?」


「ええ……我らが「Kazakami T/RY」はロケット推進による高速飛行展開能力と流体制御推進による三次元機動能力を併せ持っています。それに加え、70mmの大口径レールガンによる重火力。実戦では、三次元機動能力をフル活用した空中機動砲として扱うことにより、圧倒的な戦果を発揮しました。これは更にそれを洗練させた上で、艦隊防空システムにまで進化させたものです」

 

「エリコ嬢ちゃん……なんか偉そうに言ってるけど、そんな使い方、絶対想定してなかったろ? そもそも、それってもう戦闘機じゃねぇと思うんだが……どうなのよ?」


「……ですよね? 機動砲って聞こえましたが……運用を根本的に変えたということなのですか?」


「そ、そんな事はありませんよ? 実戦でのレールガンの命中率が話にならなかったから、数を揃えての束ね撃ちで誤魔化すことにしたとか。提供された空中機動砲ドライバの仕様が複雑すぎて、もはやブラックボックス状態になってて、応用出来なかったとかそんな事はありませんからっ!」

 

 ……私は技術的な話とか良く解らないのだが。

 エリコ嬢が腹芸の出来ないタイプなのは良く解った。

 

「おいおい……それホントに大丈夫なのかよ……。解析不能な戦術ドライバってどういうことだよ?」

 

「……そ、それ以上は企業秘密なんです! とにかく、実戦でも役に立つと証明してみせます!」

 

「そう言う事なら、証明して見せてくれ。まったく……超空間通信といいエーテルロードと言い……人類の根幹技術も訳の解らねぇ事だらけなんだがな……。その点、うちの秋茜は連中の使う旧式戦闘機を進化させた……いわば王道を行く代物だ。もちろん、素材や機械加工技術は旧時代の比じゃねぇ……パーツ単位での新規設計製造、試行錯誤の繰り返したの末の自信作だ!」

 

「はい、そうですね……。申し訳ありませんが、お二人ともその辺で……時間が押しておりますので……。では、そろそろ、中継を戦闘空母信濃のブリッジに回します。信濃さん、繋がってますよー!」

 

 カドワキ氏がまとめてくれたところで、半ば無理やり話を打ち切ってカメラスポットを信濃に移す。


 お茶の間には、信濃嬢のブリッジでの様子と、その艦体の威容が二分割で表示されているはずである。

 

「あ、はいはーいっ! もう繋がってるの? おおおっ! 私、テレビに映ってるよ! 皆さん、元気ぃ? 私、信濃です! どう? この新撰組のコス! カッコ可愛いでしょ!」

 

 モニターの向こうでは、嬉しそうにぴょんぴょん飛び跳ねる信濃ちゃんの姿が映っていた。

 もっと武人然とした娘だと思っていたのだが……なんとも可愛らしかった。

 

「やぁ、どうもどうも! ジョニー・カンタビラです! 映ってますよー! 信濃ちゃん、なかなかのカワイコちゃんじゃあないですか! それに、その新撰組……でしたっけ? 侍コスチュームとっても似合ってますね! ファンからのコメントが凄いことになってますよ!」


 視聴者からのリアルタイムコメントの一部を向こうのモニターに表示すると、信濃ちゃんは真っ赤になって食い入るようにモニターを見つめていた。


 なお、現在行われている4人のバトルシップガールの人気投票では、一番幼く見える信濃ちゃんがやたら人気あった。

 

 武蔵さんは、女性人気が高く、フッドさんも今の勇ましい姿と普段の穏やかな姿がギャップ萌えとかでコアな人気がある。


 ビスマルクさんは、その猫耳カチューシャと武人然とした姿とのギャップから、これもかなりの支持を受けていた。

 

「ちょっ! 「信濃ちゃん、可愛すぎ!」 とか、「愛してる! 惚れました!」とかなんなんですか! これーっ!」


「ええ、信濃ちゃんのファンを自認する方々の実直な声と言ったものですよ? 我がチャンネル667名物の視聴者参加型リアルタイム生放送です。ここは一つ、その声援に答えてあげてもらえないですかね?」


「そ、そうなの? そうか……うん、解ったよ! えっと、応援してくれてる皆さーん、戦闘空母信濃です! 私は他の皆と違って、大戦の時は最初の航海でやられちゃっていいトコなしだったけど……。その分、この銀河を守る戦い! 私、一生懸命、皆の為にも頑張るつもりです! ……今日は本番じゃなくて、演習だけど、武蔵にだって負けないつもりなんで、どうぞよろしくっ!」

 

 満面の笑顔で、ペコリとお辞儀。


 いかんですよ……これは、破壊力ありすぎですよ。

 

 案の定、リアルタイムコメントが爆発したようになっていた……素晴らしい、彼女……アイドルの素質ありです。

  

「いやぁ……大声援のコメントでサーバーもダウン寸前っ! ちょっとコメント制限せざるを得ない状況です! 視聴者の皆様、大変申し訳無いっ! ご声援ありがとうございます……皆様の熱い思い! 信濃ちゃんにも伝わったと思いますよ! 信濃ちゃん、気合十分のようですね! どうでしょう……戦艦武蔵とビスマルクの秘密兵器、空間機動砲! 勝算はお有りですか?」

 

「……あれが噂の空間機動砲……駆逐艦初霜があれを使って黒船の飛翔体を蹴散らしたって話ね。でも、戦艦のにわか仕立ての対空砲で、私の操る秋茜の空戦機動にどこまで付いてこれるかな? 悪いけど、私も空戦のプロだからね……黒船共の雑魚戦闘機みたいに簡単に落とると思ったら大間違い。ジョニーさん、そろそろ試合……じゃなく、演習開始でしょ? こっちも全艦載機展開済み……いつでもいいよ。フッドさんも、準備OK?」


 さっきまでの緩い雰囲気が全くなくなり、凛とした表情で身構える信濃ちゃん。


 ……このギャップがたまらない……おっと、公正中立を旨とするこの私もどうやら彼女の魅力の虜になりつつあるようです。

 いけませんな……こんな事では。

 

「あ、はいっ! 信濃さん! こ、こちらもすでに隠蔽システムを展開済みです……じゃない展開済みだ!

 いつでも行けるぞ!」


 見るとフッドを追尾していたドローンからの映像がホワイトアウトしている。

 

「あれ? フッドさんのドローン中継カメラ……どうしたんでしょう!」


「ああ、フッドには今回、特殊な隠蔽システムを搭載してるんだ……そいつが作動してる証拠だな。ホワイトアウトはそいつのせいだから、カメラの故障とかそういう訳じゃない……そういう事でひとつ、ご理解の程よろしくだ」

 

 カドワキ氏のコメントに、納得……どうやらこれも新兵器の一つ……そういう事らしい。

 

「それでは……Ladies And Gentleman! お待たせしました……いよいよ、決戦の火蓋が切って落とされます! ウォーシップバトルロイヤル! READY…………GO!」


 戦闘開始の合図とともに、各艦が動き始めた……。

 なお、「ウォーシップバトルロイヤル」と言うのは、星間連合軍での呼称「戦術実弾戦闘演習」では味気ないので、イベント名として両社協議の末でネーミングしたとの事だった。


 もうイベントとか言ってますけど、演習の費用を全額エスクロン社とアドモス商会が負担しているので、星間連合軍としても、何も言えなくなってしまったそうなんですね。


「よしっ! ビスマルク! ここは小細工は無用だ! フッドはともかく、信濃の居場所は航空機の飛行経路から逆算してある程度目星はついている! ここは一気に粉砕突撃あるのみ!」


「私として、フッドちゃんと遊びたいんだけどなぁ……フッドちゃーん、隠れてないで出てらっしゃーいっ!」


 余裕といった様子で、大戦艦コンビの二人は突撃開始するようだった。

 言葉通り、小細工無用という事らしかった。


「ふん、当然そう来ると思ったよっ! 悪いけど、すでに私の索敵網はあなた達二人を捉えてる! 先制は私がいただくからねっ! 全機突入開始! 目標、戦艦武蔵! 邪魔立てする奴は撃ち落とせっ! 突撃っ!」

 

 信濃嬢はそう言うと、手にした日本刀を上段にかまえて、勢い良く振り下ろす!

 

 見事な決めポーズ! 信濃ちゃん、解ってます! ビューティフォーッ!

 

 モニターが上空俯瞰視点に切り替わると、一糸乱れぬ見事なまでの編隊を組んで、秋茜の真紅の機体が戦艦武蔵とビスマルクに向かって突入していく。

 

 んー! 実に絵になる! 編集無しでの超高画質リアルタイム映像!


 これぞまさに本物の戦場の臨場感……VR合成CGなんかとは、迫力が違う!


 スタジオの片隅の瞬間視聴率の数値がエラいことになっている。

 

「さぁ! 世紀の一戦……ここに始まりました! 皆さん、ご覧頂いておりますか? 真紅の機体、秋茜の一糸乱れぬ突撃の光景を! これが実戦の光景です! すごい迫力です!」

 

 秋茜の編隊の突撃シーンが大写しになる……!

 

「壮観な光景ですっ! ……戦争のない時代に生きる我々ですら、この光景には魂を揺さぶられるものがあります! さぁ、皆さん、ご一緒に! 突撃ィーッッッッ!」

 

 思わず、私も雄叫びを抑えられなくなってしまった!

 視聴者諸兄も思いは同じのようで、視聴者コメントには「突撃」の二文字が乱舞する!

 

 ああ、この視聴者との一体感! この盛り上がり、たまらないっ!


よし、本日二回目投下!

登場人物多い上に、会話中心で話進めてるから、文字数の割に話が進まないよ?


ちなみに、視聴者コメントはニコ動のあれとか、ソードアート・オンラインのガンゲイル編の冒頭でゼクシードが死んだ時とかに背景で流れてた視聴者コメント的な奴とかあんな感じです。


チャンネル667はノリ重視のスチャラカ放送局なので、大体こんな感じです。

ポジション的には、未来銀河世界のテレ東的存在です。(笑)


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