表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

しるし3(詩集)

ピスタチオ

作者: さゆみ



気づいていた

もう風がいくらでも冷たくなれること

穏やかさの背中で薄っすらと笑っていた

宵にだけ見える音

きょうの(つい)にだけ癒える色


空白を果てしなく積み上げていって

崩れていくことはさり気なく済んで

敏感と鈍感の間に腰掛けて

ピスタチオの殻を割るばかり


皮膚が外気を呑み込んでいる

受け容れる処を探っている

吹き抜ける寒さは遠いのかもしれない

案外近いのかもしれない


褐色の薄皮の下の緑を見失っても

感触の中の芳ばしさを知っている

歪んでる窓の口が尖りながら泣き続ける

動けない

ピスタチオに囚われるばかりの冷たい情熱





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[気になる点]  またこんにちは、 「もう風がいくらでも冷たくなれること 穏やかさの背中で薄っすらと笑っていた」  いい表現ですね。暗い。この語り手は壊れてるなぁとはっきり実感します。 「敏感と鈍…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ