パペットのパーフェクト改変教室
翌日
土曜日であり学校は休みだ・・・
なのに・・・
『はい!始めるよー!』
「・・・はぁ」
「ねみぃ・・・」
僕と俊介は何故か学校にいる
『はい二人とも授業はちゃんと受ける!!』
教卓に乗ってチョークを振り回すパペット
「なんで学校?」
「つかパペットの奴こんな派手に動いて大丈夫か?他の奴にバレたりとかしたらヤバくね?」
『学校なのは気分が出るから!教室の窓はカーテンで塞いでるから外からは見えないし、人が来たら僕はぬいぐるみのふりをするさ!』
「あぁ、だからカーテン閉めろって言ってたんだね・・・」
「気分が出るからって学校に来るか?普通・・・ 」
『はい文句言わない!授業だよ!!』
「なんの授業?」
僕はパペットに聞く
朝起こされたらいきなり学校に行くようにしつこく言われたから来たけど(俊介は携帯でしつこく呼ばれて来たよ)
『君達に第六感や改変について詳しく教えようと思ってね!さぁ!ノートと教科書を出すんだ!』
「んな教科書ねーよ!!」
俊介が怒る
『ノリだよノリ♪』
パペットが言いながら黒板に書く
"第六感について"
「えっ?今さら?昨日聞いたよ?」
『今回は詳しく教えようとね!』
そう言ってパペットは黒板に書く
"大事なのは想像力"
「想像力?」
『第六感は使用者の想像から現象を起こすんだ!』
"風なら飛ぶイメージ"
"火なら燃えるイメージ"
「あ~だからパペットは僕に斬れるイメージをしてって言ったのか・・・」
『そういうこと!』
「なら俺は良く燃えるイメージを浮かべたら良いのか?」
『単純ならね、でもそれ以外にも想像してみたらなお良いよ!』
"燃えるだけではなく爆発させる"
「爆発?」
『そう爆発!これを上手く想像出来たら対象を破裂させたり・・・その辺の石ころを爆弾に使えたり出来るんだ』
「おいおい危険物だな!?なに?じゃあ俺はその気になれば爆弾魔になるのか?」
『第六感は僕の展開したフィールドじゃないと使えないから普段はただの腕輪だよ』
「あれ?僕はフィールドが展開される前に使えたよね?」
だから俊介を助けれたのに・・・
『あれは僕が咄嗟に安全機能を解除しといたの、緊急事態だったからね』
「それじゃ今は普通の腕輪なんだね?」
『その通り!』
「へぇ~」
俊介が第六感を眺める
『まあ使えなくても想像力を鍛えたら実戦で強くなれてるから普段から想像力は鍛えてね』
「妄想なら得意だ!」
俊介がドヤ顔で答える
『・・・・・・・・・鍛えてね!』
パペットはそう言って黒板の文字を消した
ーーーーーーー
"改変について"
『次は改変についてだよ!』
「あ、これ少し思ったんだけどさ・・・俺一人が助かったからって未来がそんなに変わるのか?」
「・・・そう言えばそうだね」
俊介が世界にそんなに影響あるとは思えないけど?
『君達は馬鹿かな?』
いきなり馬鹿にされた
『人間一人でも未來には大きな影響なんだよ』
そう言ってパペットは黒板に俊介の名前を書く
『例えば俊介が将来結婚するよ』
俊介の隣に嫁と書く
『そして子供が産まれる・・・一人か二人か三人か・・・二人にしとくか』
俊介と嫁を線で繋いでその線から更に線を引いて息子、娘と書いた
『更にこの子供達が結婚するよ、そしてまた子供が産まれる』
パペットは息子と娘の隣に配偶者と書いて更に子供を書く
その作業を何回か繰り返すパペット
『はい、こうして俊介の子孫が未来では大量に増えました!』
「おぉ・・・俺の子孫多いな」
「・・・そういう事か」
僕はパペットが言いたいことを理解した
俊介は・・・理解してないな
『はいまだ気付かない馬鹿に説明を続けるよ・・・これで俊介が死んだらどうなる?』
「えっ?俺が死んだら?・・・・・・・・・・・・・・・あっ!!」
やっと気付いたか
『そう!俊介が死んだら・・・子孫は消える!』
パペットは俊介と子孫達を黒板消しで消していく
黒板には妻と配偶者だけが残った
『この様に!人間一人でも未来では大きな影響があるのだよ!』
パペットは恐らくドヤ顔でこっちを見たのだった
「成る程ね・・・んじゃこれからは一人でも犠牲が出ないようにしないと意味がないんだな?」
『そういうこと!過去には一応何回か飛べるけど・・・大罪人との戦いでは犠牲者が出ないようにしないといけない』
「・・・・・」
『だから犠牲が出る前に大罪人を見付けて接触する!接触すれば僕がフィールドを展開するからそうしたら周りを巻き込まないですむ!』
「俺は巻き込まれたぞ?」
『僕も予想外だったよ・・・フィールドを展開するときに第六感が無い人でも近くにいたら巻き込むみたい・・・だからこれからは一般人は出来るだけ遠くに離そう・・・例えば俊介が大罪人の足止めをしてその間に陽が一般人を逃がすんだ』
「そうしたら後は僕達と大罪人だけの空間での戦いだね」
『フィールドの中なら周りを気にしなくて良いからね!思いっきりやっちまいな!!』
「んで弱らせて元の姿に戻させたら・・・」
『僕が逮捕して未来に送り返す!そうしたら任務完了!!』
「ねぇパペット、任務完了しても僕や俊介を見た一般人は大丈夫なの?存在しない筈の人間と接触する事になるけど?」
『それは大罪人を捕まえた後に未来の僕の仲間が上手く修正してくれるよ・・・俊介の場合は僕がやらなくていいって言っといたから俊介の記憶はそのままだったけどね』
「ほぉ~んっ?・・・なあ未来から干渉出来るのか?」
『出来るよ?』
「ならその未来からの干渉で大罪人を捕まえることが出来るんじゃないのか?」
『無理だよ、大罪人が持ってる大罪の第六感が妨害するから・・・てかそれが出来たら苦労しないから!!』
「そうかよ・・・」
「改変についてはわかったよパペット・・・質問いい?」
『なに?』
「他の大罪人って何をやったの?全員死刑囚とは聞いたけど詳しい罪名は聞いてないからさ・・・」
『そう言えば言ってなかったね・・・大罪人を見つけるヒントにもなるだろうし教えるよって・・・えっ?・・・うんうん・・・わかった』
パペットが急に独り言を言う
「どうしたんだパペットの奴?」
「知らないよ」
『ゴメン!詳しくは話しちゃ駄目なんだって!今未来から連絡が来たよ』
「未来からの連絡!?」
「話せるのかよ?ってそう言えばさっき言ってたな・・・」
僕と俊介は驚いた後に納得した
『まあ詳しくは話せないけど簡単になら教えてもいいらしいから・・・どんな犯罪者かを書き上げるね』
そしてパペットは黒板に書いていった
"連続殺人"←逮捕済み
"詐欺師"
"テロリスト"
"カルト教祖"
"国際スパイ"
"ハッカー"
"殺し屋"
"科学者"
「んっ?科学者?犯罪なの?」
『こいつは・・・・・・・・・・・ゴメン、言えない・・・けどこいつも大罪人だよ』
「ふーん・・・」
「てかハッカーとか詐欺師って死刑になるレベルなのか?」
『こいつら全員が世界を混乱させる程の悪事を犯したからね・・・本当に大変だったよ捕まえるの・・・』
「なに?お前が捕まえたのか?」
『僕は捕まえてないよ?でも世界中の警察やらなんやらが協力して色々してさ・・・残業残業毎日残業で・・・あ、思い出したら泣けてきた・・・』
「しゅ、修羅場だったんだね・・・」
『まあ終わったことはいいさ!取り敢えずこれからはコイツらを捕まえるんだ!俊介を助けたことで未来が修正されたから次の大罪人を見付けれる筈だよ!!未来でも調べてるけど現代でも調べよう!こっちでわかった事は僕が未来に伝える、そうしたら大罪人の居場所もわかる筈さ!』
「よし!なら調べてみようぜ!・・・帰ってからな!」
俊介は立ち上がる
「取り敢えず学校から出ようよ・・・見つかったら何て言われるか・・・」
『まあ、もう黒板は使わないからいいか、じゃ消すからちょっと待って・・・・・・・バタリ』
「パペット?」
パペットが急に倒れる
そして次の瞬間
ガラリ!
教室の扉が開かれた
「ちょっと君達!何してるの!」
そこには女生徒が立っていた
「げっ!生徒会長!」
俊介が嫌そうな顔をする
「げっ!とは失礼ね!君達は何をしにここに来たのかしら?」
生徒会長が教室に入る
「全く!黒板に変な落書きして!・・・大罪人?・・・・・君達はまだ中学生気分なの?」
生徒会長は黒板を消しながらぼやく
「いえ、中二病はもう卒業しました」
僕が答える
「ならこんな変な事を書かないの!・・・んっ?ぬいぐるみ?」
生徒会長がパペットに気づいた
「ヤバイ・・・」
「・・・・全く、どっちのかは知らないけど不要な物は学校に持ってきちゃ駄目よ?」
生徒会長はパペットを近くにいた僕に渡す
「スミマセン・・・」
「わかればいいわ、何しに来たか知らないけど用が済んでるなら帰りなさい」
生徒会長はそう言って教室から出ていった
ーーーーーー
『ふぅ・・・気付いて良かったー、どう?僕のぬいぐるみのふり!』
「微動だにしなかったね」
「俺はバレるかと思ってヒヤヒヤしたぞ?」
僕と俊介は道を歩く
「ねぇ俊介、あの人生徒会長なの?僕知らないけど?」
「んっ?なんだ陽は知らなかったのか?生徒会長の檜山、名前は・・・なんだったっけ?」
「檜山先輩か・・・」
「なんだ?惚れたのか?」
「違うよ!?なんか違和感を感じた気がして・・・」
「違和感?」
『・・・・・・』
「・・・んん、上手く言えないけどなんかね・・・まあ多分気のせいだね!」
「まあいつパペットが動き出すかわからなかったから変に意識しただけなんだろうな・・・取り敢えず大罪人探ししようぜ!」
「どうやって探すの?」
『暴食が現れた時代より前の時代だ、それで大きな事件を探すんだ』
「さっき教えてもらった大罪人達のやりそうな事件だね?」
「テロとか詐欺とか?」
『そういうこと!因みに僕が暴食を見つけたのは過去の新聞に"謎の死者多数!被害者には内臓がないぞう!"って記事が有ったからだよ!』
「取り敢えずその記事を書いた記者はふざけてるね・・・じゃあ僕は図書館とかで昔の新聞を見てみるよ」
「なら俺はネットで昔の事件を調べてみる、なんかわかったら連絡な!」
「うん!」
こうして僕と俊介は別れた
この後僕は図書館で昔の新聞を読んでみたけど・・・大きな事件は何件もあったがパペットから『これは違うね』と言われて結局わからなかった