第六感
「・・・うっ」
僕は閉じていた眼を開く
「・・・ここは・・・駅前?」
昨日俊介と別れた場所の近くだ
『さてと・・・じゃあ行こうか』
パペットが僕の頭の上で言う
「行くって何処に?」
僕はパペットに質問しながら電光掲示板を見る・・・日付は4月20日・・・昨日だ
『んーと・・・陽が俊介と別れた場所の近く!そこで待機!』
「わ、わかった・・・・んっ?そう言えばパペットはなんで僕の名前や俊介の名前を知ってるの?」
自己紹介してないよね?
『えっ?あー・・・意識は昨日から入ってたんだよ?動けなかっただけでね?それで君の独り言を聞いてたの』
「そんなに独り言を言ってた?」
『僕を見ながら『俊介は驚くだろうな!』って言ってたからね』
「・・・そう言えば言ってたね」
独り言を言う癖を直さないと・・・
僕は歩く
ーーーーーーーー
「時間的に後30分くらいで俊介と別れたかな」
僕は場所の近くの路地裏に待機する
『じゃあその30分の間に準備しようか!よっ!』
パペットが頭の上から降りた・・・てか僕はぬいぐるみを頭に乗せて街中を歩いたのか・・・恥ずかしいやつ!!
『さて・・・火と水と風と雷と土と氷と光と闇とどれが良い?』
「へっ?」
パペットはどこからか腕輪を出して目の前に並べた
「これが未来の機械?」
ただの腕輪じゃないか
『今この腕輪を馬鹿にしたろ?これはかなり凄い機械なんだぞ!!例えばこの火の腕輪は使いこなせればこの街を焼き尽くすくらいの爆発が出せるよ!!』
「物騒だな!?」
『まぁ、流石に普通は使わないけどね』
「・・・それじゃ大罪人と戦闘になっても戦えないんじゃ?」
『ちゃんと対策はあるから安心して!っで?どれが良い?』
「えぇ・・・どれが使いやすいの?」
『使い手に依る・・・ん~陽なら風かな?』
「風?」
てっきり光かと思ったよ・・・僕の名前が陽だし
『どうする?』
「じゃあ風で・・・」
『よし!じゃあ利き手出して』
僕は右腕を出す
『よっと!こうしてあーして』
パペットがカチャカチャと腕輪を弄る
『よし!登録完了!これでこの風の腕輪しか使えないからね!』
「他の使えないの!?」
『うん!あれ?言ってなかった?』
「言ってないよ!?ならもっと考えたよ!!」
『あはっ♪ごめんね♪』
「ぬいぐるみの愛嬌で誤魔化すな!!」
『で、でも風の腕輪は万能なんだよ!戦闘もサポートもこなせるからさ!』
「そうなの?」
『それに陽の第六感はこの風の第六感との相性が良いからさ!!』
「第六感?」
『この腕輪の名前だよ!』
「第六感か・・・へぇ~」
っと話していたら
『あっ!来た!』
「もうそんな時間!?」
僕は路地裏から少し顔を出す
「・・・僕と俊介だ」
少し離れた場所に僕と俊介が居た・・・本当にここは昨日なんだ
『あ、別れた!俊介を追うよ!』
「わ、わかった!」
僕は昨日の僕がゲームセンターに向かうのを確認しながら俊介を追った