第8話 飛竜を攻略する。 後編
俺が錬成したマジックライフルを使いたった10人の兵士によって蹂躙されるドッレ帝国軍、俺はその光景を見てニヤけてしまう。
「ジンとアンよ、見てみなさい。今までの戦いが嘘みたいでしょ」
「はわぁ、本当に勝ってしまったのですね⁉︎」
「流石です、タナトス様」
ジンとアンは心底嬉しそうにしていた。
他の兵士達も安堵したのか地面に尻をつく。
「これが俺の力か、でもなぜこんな魔法が……」
「どうしたんですか?タナトス隊長」
独り言を聞いたのかテコテコと近づいてくるアン
そして手が届きそうな距離になった時
「そいつは魔女タナトの末裔だ!捕まえるのだ‼︎」
ナタリーの声が静まり返った野原に響き渡り、兵士達が俺達を一斉に見る。
「何のことですナタリーさん?」
「はわわ……タナトス隊長みんながこっちを睨んでます」
ナタリーは兵を連れて近づいてきて、縄で身体を縛られる俺とアン。
「おいっ、一体どういうことだナタリー⁉︎」
俺はつい素になり声を荒げるが、ナタリーはこちらを見ずに話す。
「この話し方とあの魔法は……、やはり昔あった災いを呼ぶ魔女とそっくり……、アンもこの者と繋がってるかもしれん、連れて行け」
「はっ!」
兵士に後ろから蹴られ前に進められ
「おい、ジンも何か言ってくれよ‼︎」
「……」
くそっ、ジンも流石にナタリーには逆らえないか、一体何がなんやら……、俺はこの先どうなるんだ……。
横で泣いているアンの声を聞きながら連れて行かれる。
何故かわからないが急に目の前が真っ暗になり意識が途絶える。