第7話 飛竜を攻略する。 中編
何やら外がガチャガチャと五月蝿い…、俺は自室から出ようとしたら扉が勝手に開く
「大変ですタナトス様!ドッレ帝国がまた攻めて参りました!」
ジンが血相を変え汗だくのまま話し出す。
俺はまぁ落ち着けよとジンを宥める。
「敵から来てくれるとは良いことではありませんか?今から私達の隊を集めてナタリー様の軍に合流しますわ」
「はっ!」
話を聞くと、既にドッレの軍はルーブ城の目の前まで攻めて来ておりナタリー軍が今現在交戦中らしい。
ナタリーも結局は俺の隊では足手まといと思ったのか?呼んでくれなかったというのは
「さて、実験開始といきますかっ!」
タナトスは着替えを済ませてナタリーへと加勢する為急ぐのであった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「くっ、やはり上空にいる飛竜は倒せないか……」
「団長‼︎ガダン小隊長討ち死になられました!このままでは突破されます!」
ガダンまでやられたか……、私の軍は10小隊で構成されており、すでに4小隊が壊滅、地上の敵はどうにかなるが
「やはり私達は飛竜を倒せないのか……」
手に持ってた剣を下ろし撤退の合図を出そうとした時
「団長っ!後ろ‼︎」
兵士が声を荒げる。
それを聞いた私は咄嗟に後ろを振り向くと赤黒い鱗で覆われたトカゲ……、いや、飛竜だっ‼︎
飛竜は口を開け私の目前まで迫ってきた。
「チッ……」
剣で対抗しようとするが大きさが違い過ぎる!
カァン
私の剣は強靭な鱗に弾かれ抵抗する手段がなくなり、 死を覚悟をしたその時
ドシャァン
「え……」
目の前で飛竜が倒れる。
周りの兵士達も何が起こったかわからないらしい。
「ナタリーさん大丈夫ですか?」
私はこの幼い声を聞き誰がこの飛竜を落としたのかわかってしまった。
「タナトスちゃ、いや、タナトスか⁉︎お前なぜここにっ⁉︎」
うっかりいつものようにちゃん付けしようとしたが、今はみんなの前だから修正をする。
私の目の前にはタナトスを含めジンやアンが周りを警戒していた。
タナトスは何を言ってるんだという顔をした後ニッコリと微笑む。
「何を仰られてますの?私は飛竜を倒すと言ったじゃありませんかっと!」
タナトスはそう言いながら、空間から剣を作り出しそれを飛竜の上に乗っていた竜騎士に向かって飛び出し体を貫く
あれは一体何なんだ……。
タナトスはニヤニヤしながら死体を見つめ、また剣を作り出しそれを握り戦場へと向かう。
「もしかしてあの魔法は……」
危険を感じた私は急いで後を追うのであった。