第6話 飛竜を攻略する。 前編
ドシャァンッ……。
俺たちの目の前に飛竜と竜騎士が落ち地震が起きたかの様に鳴り響く。
竜騎士はヨロヨロと立ち上がり一体何が起きたのかわからない表情をする。
ふっ、それはそうだ。前回は1000人以上居た兵士に倒されなかったのにまさか俺を含め11人の兵士に撃ち落とされるとは思っても見なかったろう!
まずなぜ俺たちがこうなったかを昨日の晩を振り返ろう。
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「一体どういう作戦で勝つのですか?タナトス隊長」
アンが心配そうに聞いてくる、まぁ、気になるよな。
前回は青の魔法騎士団は飛竜を1匹も倒せずにいたんだからなっ
俺は両腕を組み不敵な笑い顔を浮かべ
「落ち着きなさいアン、今からその作戦……、いや、蹂躙に必要な物を見せてあげる」
そう言い、俺は右手を前に突き出し手のひらを下に向けると
「タナトス様っ⁉︎一体何をなされたのですか⁉︎」
「ロリ隊長……、それは魔法なのかっ⁉︎」
「あわわ……」
各々面白い反応をしてくれる、実に気持ち良い‼︎
俺はいつの間にか右手に自分と同じぐらいの大きさのライフルを掴んでいた。
「そう、これが私の魔法『武器練成』ですわっ‼︎」
俺はそう自慢気に発言する。
何故こんな魔法を使えたかと言うと、隊長達との会議中に俺はナタリーの後ろで待機していた時、ナタリーが腰に下げている剣を見て
(かっこいいなぁ、俺も欲しいなぁ……)
とつまらないことを考えていたら、俺の右手にはいつの間にかナタリーと同じような剣を掴んでいた。
勿論他の人には気付かれておらず、なんか持っていて普通みたいな感じになっていた。
俺はその後も会議中に拳銃とかも作り出してしまって、あれ、これ飛竜対策できるじゃんと思ってしまい口を出した。
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まぁ、まさかこんなオリジナル武器出せるとはな、もし出せなかったら何か現実に有りそうなのを出してたけど、これが一番都合が良い
俺は武器を皆に配りだす
「これはマジックライフルという武器ですわ。この穴が空いてるところを相手に向けたら魔力を込めるだけで風穴が空くという便利な武器」
淡々と説明しだすと皆は本当かよという反応する。
俺は信じて貰うために皆とは少し違う禍々しいライフルを練成する。
「これは少し皆と違うけど、構造は同じマジックライフル『デストルドー』ですわ。これをそう近くの木に止まっている小鳥に向けますわ」
何故デストルドーなのかというと、死を象徴するとか云々……、やはり説明するのは恥ずかしいから置いといて、俺はデストルドーを小鳥に向け、そのまま引き金を引く
グシャァ
「す、すげぇ……」
「本当に風穴が空いたぞ…」
小鳥の亡骸を見て皆はどよめき出す。
俺のは実は実弾で、魔力で放つのではなく火薬で放つ物にしている。
理由は魔力の込め方なんてわからないからだ……。練成するのは何となく出来たけど
「たっ、タナトス隊長!そ、それは私にも扱えるのでしょうか?」
アンは何故か不安気に聞いてくる。
元々アンは心配性な感じだから仕方ないか
俺はアンにマジックライフルをちゃんと持たせ、鳥はさっきので逃げたから空に向かって放つように説明をする。
「まずはちゃんと放つことできるか心配なのですね?私がしたように構えて空に向かって放ってみて?」
「は、はいっ」
アンは両手でしっかりとマジックライフルを構えて発砲する。
「わぁ……、タナトス隊長と違いなんか綺麗なのが出ましたぁ……」
マジックライフルから青い閃光みたいなものが一直線で空に向かって伸びる。
他の兵士達もそれをみて、おぉっと声が漏れる。
俺は魔力を込めたら放つことが出来るのがわかり、やはりこれはいけるなと確信した。