第4話 兵士を攻略する。 中編
会議室から出てナタリーと歩いていたら、ナタリーが急に笑い出す。
「何がおかしいんですかナタリーさん?」
「いや、ふふっ」
女っぽくない話し方しても注意しないナタリーはよほど機嫌が良いのだろう、急にナタリーは俺の背中を軽く叩く。
「流石に雑用係のお前を戦わせる訳には行かないが、兵10人の指揮をしっかりととりあの案を一つも出せないのに文句をいう隊長達を見返せよ?」
そういうといつの間にか俺が寝ていた寝室まで着いて、ナタリーはすぐにタナトスの兵を送るといいそのまま廊下を歩いて行った。
「よし、ならばこのピンクの服を脱いであのフリフリした元の服に着替えるか」
そう口に部屋に入ってあることに気付いた。
俺、女だよな……、この服脱いだら……。
ゴクリと、生唾を飲む音が喉から聞こえる。
恐る恐るボタンを外し上を脱ぐと……。
「げっ、何も着てない」
そう、上半身はなんも来てなく、あるのは自分が小学生の時の鍛えてない身体に似ていた。
改めて俺は女になったんだと思ってしまう。
着替えるには全ての服を着替えないといけない、ズボンをゆっくりとずらすと、途中で可愛らしい白の下着が見えた。
あーーーー、あーーーー、うあああああ‼︎‼︎
兵が来るギリギリまで着替えが続いてしまった……。
コンコン
扉を軽く叩く音が聞こえ、すぐに誰が来たのかわかる。
「失礼いたします。私は本日からタナトス様の元で仕えることになりましたジン・サイトと申します。」
扉の奥で少し年老いた男性の声が聞こえ、俺はそのまま部屋の扉を開けるとそこには髪は白で短髪で重そうな鎧を着た厳つい顔のおじさんが立っていた。
「おぉ、まさかこんなにもお若い人とは、いや失礼。ではタナトス様早速ですが、このお屋敷の中庭に残りの兵達がいますので、ご案内させて頂きます」
「ありがとうございます。ではご案内の程よろしくお願いいたしますわ」
俺は両手をへその辺りで合わせてそのままお辞儀をする。
それを見たジンは目を丸くし笑い出す。
「タナトス様別に頭下げなくて良いですよ。私はあなたの兵士なのですから」
「でも同じ人間なのですから別に良いでしょ?」
面白い人と思ったのかまた笑い出すジン。
俺あんまり礼儀とかわからないから当分の間失敗するだろうなと思ってしまった。
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ジンが案内してくれて無事中庭に着くとそこには1人の女性が噴水の前のベンチに座って気持ちよさそうに寝ていた。
見た目はジンより軽そうな鎧を着ていて、髪は赤色でショートヘア、眼鏡着用している。
胸を見るとナタリーよりはないけど、俺の完敗。
「くっ……、ジンさん?兵は10人と聞いたのですが」
胸のことで悔しくなったので頭を切り替え、兵達のことをジンに尋ねると、ジンは手を額のとこに起きため息を吐くいた。
やべぇ、これみたのはじめてだ、渋い人がしたらこんなにも良いんだな……。と思っていたら
「申し訳ありませんタナトス様、あいつらまた遊びに行ったな……」
そう言うとジンはベンチで寝ている女性の前に行きデコピンをする。
なんかバチンッて音がなったぞ……。
「いっつぅぅぅうっ……」
「起きたかアンよ、みんなは何処に行った?」
「え、みんなはここに?あれ、えっ嘘……また」
あぁ、これはハブられ者の子か、俺はこのハブられてしかも上司からデコピン食らわされた可哀想な子の前に立つ。
「こんにちは、アンでしたっけ?私はナタリーの配下タナトスですわ。本日付からあなた達の隊長になりましたのでよろしくお願いしますわ」
手をアンに向かって差し出すと、その手を握る前にベンチから急いで立ち上がり直立したまま自己紹介をしだす。
「わ、わわ、私は、、ジンさんの配下のアンと申します!農家出身故に名前しかありません!特技はま、魔法!あ、でもここのぶ、部隊殆ど魔法得意ですので私あんまり、役に立たないかもしれないです……」
まぁ、魔法騎士だもんなここの国の騎士たちは、まぁ、それよりもこの手を如何にかして欲しい俺は右手をフラフラさせる。
それに気づいたアンは噴水の中に手を突っ込んで洗ったあと両手で握ってくる。
えぇー、逆に汚くしてからとか嫌がらせかよ……。
「あっ!すいません!すいません!手を綺麗にしようとしてテンパってしまって……、うぅ…」
「ま、まぁいいですわ。次からはせめてハンカチとかで拭いてからにしてね」
「申し訳ありませんタナトス様、後で私の方からキツく言っておきますので」
「うぅ……」
なんか必死に頑張ってるのに怒られるのはこんなにも可哀想なのかと思ってしまった。
それよりも、ジンに任せて兵達をここに集合させよう。
俺はジンとアンに残りの兵達を集めるように言い、ベンチで待つことにしたのであった。