第3話 兵士を攻略する。 前編
タナトスです。
いきなりですが、俺……、いや、私は男を捨てていくことになりました。
心は男で、身体は女という普通ではおきない事がおきているこの現象!
そしてナタリーに女っぽい話し方にしろとまで言われたお、私はっ!女になるように努力を始めました。
「あー、各小隊の隊長に少し伝えたいことがある」
ここ青の魔法騎士団会議室で俺はナタリーの雑用係として側に仕えている状態だ。
え?私ではなくて俺って言っていいのかって?
心の中の声ぐらい良いだろ⁉︎
そう誰かに心の中で文句を言った俺はすぐにナタリーの会話に耳を傾ける。
「先日の戦で我が軍は敗退しまた街を占領されたのはご存知だよな?」
「はっ、相手の飛竜がやはり厄介で羽を持たない我々ではどう対処すれば良いのか……、勿論魔法という手段もありますが、あの強靭な鱗の前では……」
ナタリーが言う敗戦は俺がこの世界に来た時の戦争だな
そして、飛竜が厄介云々と言っているナタリーの席に近い男は副団長だな
俺は周りの人たちを観察していたら、ナタリーが声を荒げる。
「だが、このままでは我が軍だけではなく、この国までやられては元も子もない!今日集まって貰ったのは飛竜をどう対処するか案を出してもらいたいと思ったからだ!」
「「……」」
誰も案を出さない中、俺は恐る恐る手を挙げる。
「嬢ちゃんここは君みたいな者が会議にはいって……」
子供でも見るかのような目で、少し小太りな小隊長が注意しようとするが
「私が許そう、このまま案が無いと意味がないからな、それでタナトス、なんか案があるのか?」
「私少しわからないことがありまして、この飛竜は自らの意思で攻撃してますの?」
まだ慣れてない話し方で質問するが、他の方々は何言ってるんだお前という顔で見てくる。
え、これなんかの常識だったと焦っていると
「いや、飛竜は上に竜騎士という騎士が乗っており、それが命令をしているらしい、えっと、タナトスさんでしたっけ?またわからないことがあればなんなりと」
ナタリーの隣に座っている副団長が優しく教えてくれて、しかも名前まで覚えてくれるとはなんて良い人、男でもなんか惚れちゃう……。
「いや、それだけ聞けれたら十分です。もし良ければですが、専属の兵士与えて下されば私この飛竜を撃退して見せますわ」
「ほう……」
ナタリーと副団長以外の人達が騒めき出す。
「何を言っているのだ⁉︎お前みたいな小娘に兵を預けれる筈がない!」
「そうだ!それで負けたらどうなるかっ」
そうだよな、結構良い案思い付いたんだけど、この見た目14歳そこらでは説得力ないよなぁ
そう思って後ろに下がろうとしたら
「いいだろう、前の戦いの時は飛竜は5匹いたな、10人の兵士を渡そう。それで勝ってみせろタナトス」
「よ、良いのですか?」
小太りの小隊長がびっくりしているが、俺は頭をゆっくり下げありがとうございますと言い後ろに下がる。
それをみたナタリーは何故か満足気な顔をし、立ち上がる。
「案はもう無さそうだな、これにて会議を終わりにする。各自元の配置につくように」
よし、思い付きだが上手くいけば雇ってくれた恩は返せれるな!
俺はニヤニヤしながらナタリーと会議室を出た。