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蠢きの魔
「しゅ・・修ちゃん、御免・・叉ドジ踏んでもうた」
「阿呆ぅ・・ほんま世話掛ける奴っちゃで・・」
千の言葉に、低い声で修二は答えた。そして修二が歩み出た。
「動くな!刺すぞ!」
石井が構える。
「どこまで性根の腐った奴なんじゃあ」
工藤が歯噛みする。修ニは、今にも飛び掛らんばかりの姿勢だ。
その時であった。
「この野郎!」
石井の頭を、背後から殴った男が居た。田村だ。一瞬石井がナイフを落とした隙に、修ニが千崎を抱きかかえた。石井が吼えた。
「この、くそガキが!」
石井が、修ニに襲いかかる。




