蠢きの魔
「へ・・どない間違うたんか知らへんけど、まさかこのガキが、初代の所に勤めとったとは思わなんだわ。せやけどな!やい!工藤。わしの兄貴が降りたってのお、わしは、雷神連合2代目名乗って、てっぺんに立ったるんじゃ!」
「石井・・おんどれの兄貴はのお、自分の身代わりになって死んだ飯村の血見て、そのほんまの心見せられて、自ら降りたんじゃ。けどの、おどれ見たいな腐れとは違うとったで、お前の兄貴は。わしは、信(石井の兄の名)が望んだら、喜んで総長を譲っとった。おどれ見たいな汚い真似する奴に、この関西を任せる訳にはいかんのじゃ。この雷神特攻隊長の特攻服見て何も思わんのけ!飯村はお前の兄貴の身代わりで死んだんじゃ、その気持がお前には分からんのか!」
「うるさいわ・・!工藤、おのれさえ、居てへんかったら、この関西は兄貴のもんやった。飯村も死ぬ事は無かったんじゃ。わしは違うで・・どなん事してでも降りへんっ!」
その時、伊藤のバイクが工藤の後ろに到着した。橋本も降りて来た。役者は揃ったのだ。
「こら・・石井。何で飯村隊長がお前の兄貴を庇ったか、分からんちゅうんかっ!」
伊藤の目が怪しい光を放った。
「なんじゃ・・おのれまで、どいつもこいつも飯村言いくさって、くそがっ!」
石井が怒鳴る。
「手・・離さんかい!石井」
修ニが怒鳴った。




