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蠢きの魔
「おお、済まんの、修ニ。忙しいとこ・・ほれ・・こいつら知っとるか?」
「お・・千に亮・・。どないした?」
「やっぱり、知り合いかい。こいつらなー。ここへ、こそ泥に入りよったんや」
「何やて?おう!こら。千!亮!おのれら、まだ馬鹿やっとんのかい!」
修ニが大声を上げた、2人は少しびくっとなった。
「修ちゃんが、人の事そないに言えるんかい」
千崎が伏せ目がちに言った。
「何やと・・こら・・」
修ニの眼が異様に光る。千崎の胸ぐらを掴んだ。それを工藤が止めた。
「止めとけ。こんなしょーも無いの殴って、職人の大事な手痛めたら、かなわん」
「け・・」
千崎が、少し安心したかのように顔を歪めた。
「こそ泥よりな、わしはこいつらの傷が気になるねや、修ニ」
工藤が言う。




