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修二の青春  作者: 白木
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蠢きの魔

「へっ・・」


 橋本が笑った。


「何や・・こんなもんか、おのれのパンチは」


 口の中が切れたのだろう、伊藤は真っ赤なツバをぺっと吐き出すと、今度は橋本の胸目がけて、強烈な前蹴りをお返しする。


「ぐうう!」


 橋本も3メートル位後に飛ばされた。


「どないした・・終いか?」


 伊藤が言う。


「へっ・・アホこけ!」


 橋本が、よろよろしながらも立ち上がった。

 橋本も関西では喧嘩上等の名の売れた男。この勝負互角と誰もが見たが、意外と決着は早く、一方的な伊藤の勝利に終わった。

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