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蠢きの魔
「伊藤・・飯村が、何で死んだか知ってるやろが。その飯村の兵隊が何で、我悪羅と組むねん?」
「・・・本気で、橋本が石井と組むとは思うてません・・せやけど、石井は、兄とは全く違う男ですねん」
「分かった・・・伊藤。わしは、お前が次に居るから引退したんや。そやけど・・くれぐれも無茶はするんやないど」
「はい。今日は夜分に済みませんでした。あの・・初代の所は大丈夫とは思いますが・・我悪羅の別部隊が、バイクを今漁ってますねん、気をつけとって下さい。それもゆうとこ思いまして」
「分かった、何かわしも考えとくわ」
外で何名かが伊藤が出て来るのを待ってたらしく、複数のバイクの音が聞こえ、次第にその音は小さくなって行った。
それから数日後の夕方であった。
「あっちゃん、ほなバイバイ!」
「恵利ちゃんもさいなら!」
中学校からの帰りの道中に新田恵利だった。交差点で友達と別れ、自宅へ戻る途中の公園の前を通る所であった。
突然、覆面の男2人が恵利に襲い掛かった。
「きゃあ!何すんの!」
「静かにせえ!殺すぞ」




