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修二の青春  作者: 白木
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蠢きの魔

 この日、工藤の所へある男が訪れた。金村が帰った後だった。


「珍しいやんけ、伊藤」


 この男こそ鬼羅亜の総長、伊藤雄二だった。長髪で、長身の男だ。


「ご無沙汰しとります」


 低い声で、伊藤は言った。


「どないした?急に」


 少し、工藤の顔が険しくなった。


「初代に少し、相談したい事がありますねん」

「まあ・・ちょう上がれや。奥の座敷で話しよ」


 工藤は修理工場奥にある、4畳程の休憩室代わりの部屋へ伊藤を通した。

 この男が、関西第2と言われる暴走族、鬼羅亜の2代目総長だ。工藤は雷連合をまとめるまでは、その鬼羅亜の初代総長でもあった。


「・・・そうか、我悪羅と、鬼怒羅が、こそこそおかしな動きをしとんのかい」

「そうですねん、ほんでも今の所は大きなトラブルも無いんで、静観してます」

「今、我悪羅のアタマは誰や?」

「石井・・石井浩二の弟の、石井達也がやってます」

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