6/333
序章
「ほら・・顔を拭け。」
佐久間が左手を差し出した。少年は渡されたタオルで、顔についている泥を拭った。
「なあ・・薄情なもんじゃないか。仲間は誰も戻って来ない」
「関係無い・・あいつらとは」
「一緒に走ってたんじゃ無いのか?」
「・・・後にくっついて走っとっただけや」
「少しは会話出来そうだな・・・じゃ、どう言う関係だよ」
「俺は、鬼羅亜ちゅうチームに入れて貰お思もて、付いて走っとっただけじゃ」
「そんなら止めとけよ。そんな薄情なチームに入るのは」
「何やと!こら!」
少年が怒る。