53/333
序章
「修ニ、お前、その善さんゆう人にびしびし、しごいて貰うて、お父ん見たいな立派な職人にならなあかんぞ!な、修ニ、短気は絶対あかんぞ!」
工藤は相当酔っている。
「はは・・先輩がゆうたら、説得力無いですわ。でも、おおきに」
修ニは心から礼を言った。
「良し、修ニ。お前が新川さんの所で続くようなら、俺も約束する」
「何を?」
「お前に鳩やるよ」
「え!ほんまか?ほんまにくれるんか?」
「何や・・鳩って、そこら辺に居るっちゅうねん」
そう言いながら、工藤はそこで、酔っ払って寝だした。
「はは・・修ニ。明日から学校行けよ。ちゃんと卒業のケジメだけはつけないとな。俺は工藤をおぶって行くよ。今日はもう帰れ」
「うん・・あの・・」
「うん?」
「あんちゃん・・おおきに!」




