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序章
「ちぇ・・俺には似合わんかも知れんがな。そりゃあ優しくて、気が付くし、良い娘だったんだよ。俺はこんなだから、女性とは口を聞くのは苦手でな。毎日、そこへ通ってたんだ。そんなある日、その喫茶店に、工藤が姿を現わしたんだよ。今見ても分かるけど、相当当時やんちゃをやっててな。もう、亜紀ちゃんにナンパしまくりで、俺はもうむかついて、むかついて・・当時、何てったかな?お前のチーム」
佐久間が工藤に聞く。
「ああ・・雷神連合や」
修ニが大きな声を出した。
「えっ!雷神連合ゆうたら、関西の族を一本にした、あの雷神?え・・?確か・・総長ってゆわへんかった?」
「若気の至りで御座いますわよ、わははは」
工藤がふざけて笑った。
「す・・すげえ・・ほんなら工藤先輩は、初代総長やったんや・・うわ・・ほんまもんやったんか・」
修ニが、尊敬の眼差しで、工藤を見つめた。
「こらこら、修ニ。お前は、もう家具職人の道を選んだんだ。そんなもんに憧れるような目をするんじゃねえよ」
佐久間が言う。




