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序章
ふふ、この人達やから飯食うちゅうてもこんなもんやな・・修ニは思った。工藤も佐久間もがんがん飲んでいた。
「全くよ・・おかしな縁だぜ。なあ、修ニ」
佐久間の言葉に、修ニは返事をせず、もくもくと食べて居る。
「まあな、俺らかてこんな付き合いになるのも、変と言うたら、変やで。なあ、佐久間」
工藤が代わりに答えた。
「なあ、聞かせてや、さっき言いかけた事」
修ニが口を開く。
「そうだなあ・・まあ、修ニもこうやって縁が出来た事だし、いいか?工藤」
「ああ、かまへん」
「もう、5年になる。俺が大学4年の時だ。市内の「ラ・ポール」と言う喫茶店で、働いていた亜紀と言う女の娘に惚れちまってな」
「ぷ・・」
修ニが笑う。いかつい顔には似合わないと思ったからだ。




