4/333
序章
「大丈夫か!」
佐久間が少年に声を掛ける。
「う・・」
気を失っていたらしい少年が起き上がろうとする。
「動くな」
佐久間が少年を制すると、羽崎が目配せをした。
「はい・・救急車を」
「・・余計な真似すんやないわ!」
少年は、起き上がろうとしながら、大声を出した。
佐久間は、その声に驚く事もなく少年の腕を抑えた。
「い・・いたたた。このボケ!痛いやんけ!」
「ふむ・・腕は打ち身程度だな・・どれ・・?足は?」
「が・があっ!」
少年は苦痛で顔を歪めた。