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序章
「修ニ・・お前・・鳩を初めて抱いた時、優しい顔になった」
「ふん・・せやから何やっちゅうねん」
「ここの社長も、俺の社長も、鳩が好きなんだ。だから見せて貰おうや」
少し間があった。修ニの顔が少し落ち着いた。
「ま・・それだけやったら・・」
「良し、それじゃ行こうや」
佐久間が少し先に言って、向こうで新川社長に何か言っている。
そして佐久間が修ニを手招きした。修ニが早歩きして、そこへ行く。
工場の奥へ行くと、倉庫があり、その倉庫の上には無数の鳩が飛んでいる。鉄製の階段を昇って、屋上に出ると、修ニの長屋より広いかと思われる大きな鳩舎が3つ並んで建っていた。
「うわ・・・」
修ニが驚いた。




