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序章
「興味あるんだろう?鳩の事少し」
「もう、ええわい」
吐き捨てるように修ニが言う。
「ここの新川社長の鳩小屋には、CHの称号を貰った凄い鳩が居るんだぜ。見ても損は無いだろう、今日来た甲斐があるじゃないか」
「あんたは、従業員やろが、命令に背いてええんかい」
「命令?誰が、誰を?」
「何か知らんけど・・」
修ニは、口篭った。
「言ったろ?俺も今日の事は何にも聞いて無いし、お前に約束したのは、鳩を見せるって事だけだ。だから約束は守るよ。それだけだ」
佐久間は、何かを修ニが感じているその先には、全く踏み込まなかった。




