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修二
「まだまだ・・や。上には上が居るもんや。長居さんの鳩群見たやろ?その長居さんが、新川さんの川上系にかなわんと言うてはる。その新川さんの上には、香月系、白川系が雲の上のように存在しとる」
「会うて見たいのう・・・香月博士や、川上氏に・・」
修ニが、遠い空を見上げながらそう言った。
「俺も・・同感や」
そんな日々を過ごしながら、そして・・・・
美弥子の陣痛が始まった。取得した自動車免許で、米次から貰った中古のカローラを運転して病院に駆けつける修ニだった。米次も、修ニの後から病院に駆けつけた。
「どうだ!」
「今、分娩室に入った所や」
修ニは答えたが、ガタガタ震えていた。




