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修二
ぺこっと挨拶をすると、田原は2、3人の取り巻きと帰って行った。
「亮!千の話やけど、250ccクラスのチャンピオンになって、今カワサキと契約しとるらしいな」
「そや。でもな、千ちゃん、工藤レーシングのネーム外さへんって頑張ってるらしいわ」
「千・・ええとこあるやんか」
「修ちゃん、俺等、オーナーの恩義忘れてへんで。あの人は、何も俺等の事聞きもせんで、信用してくれた。そやからここまで一生懸命やって来れたんや。俺な・・工藤オーナーが目標やねん」
「そうか・・亮。お前もええ奴っちゃのう」
嬉しそうに修ニは亮の肩を叩いた。恵利もにこにこしながら2人を眺めていた。
恵利が店の奥へ入って行くと、
「まあ、恵利ちゃん。ええとこ来たわ。悪いんやけど、和哉ちょっと見てくれる?」
「まあ、和ちゃん、可愛い・・お姉ちゃんと遊ぼ」




