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修二
「ま、その内、韓君が何でこんなに競翔に強いのか分かると思うぜ。何しろ、半端じゃないからな。な、韓君」
「ふふ・・佐久間さん、もう勘弁して下さい」
韓が少し照れ笑いした。修ニが韓に興味を少し持ち始めていた・・。
韓の店からの帰り道、米次が
「韓君の事を、金持ちの息子だからとか、良い血統を持ってるとか色々言う者も居るが、とんでも無いぞ。関西有数と言われる鳩舎に弟子入りして、何度も通い、飼育方法、管理、血統などを徹底して調べ、国内外の競翔鳩を網羅する程研究している大変な努力家だよ。だからこそ強いんであって、良い血筋を使翔しているから、或いは天才なんだからだから強いんじゃなくて、とにかく頭が下がる子なんだ」
「へえ・・・」
修ニは更に、韓少年に興味を持った。
「それからな、社長が居る前じゃ言えんが、お前とも話する機会が最近めっきり減った。お前のシュウ号や、他5羽の鳩な・・余り期待はしてくれるなよ?何しろ親鳩が、親鳩だからなあ・・・」
米次が少し申し訳なさそうに修ニに言った。




