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序章
金村修二は、その迫力に黙った。
「先生はこの子の事、知っとりまんねんな?」
羽崎は木崎に聞いた。
「ああ、良う知ってまっせ・・」
「止めや!俺の家の事べらべら喋りよったら、火つけるぞ、このヤブ!」
そう言って、修治は足を引きずりながら、出て行った。
「おい!待てよ」
佐久間が止めようとしたが、羽崎が止めた。
「もう、ええ、ええ。わし等の役目はもう果たせた。仕事に戻らなあかん」
「はい」
「あ・・羽崎はん・・叉良かったら、近い内に寄って下さい。今の事で、少々話がありますねん」
「はあ・・」
礼をして、羽崎と佐久間は木崎医院を出て行った。




