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修二の青春  作者: 白木
199/333

策謀・派閥・暗闘

 次の日の事だった。専務室に、市村が呼ばれて居た。


「・・そんな。今更、この自在テーブル変更やなんて、殺生でっせ。展示会までもう一ヶ月を切ってまんねん」

「分かっとるわ・せやけど、この一台30万円ちゅう額、市村、どこから捻りだしてん?」

「そりゃあ、仕入れ原価と、販売経費、搬送費・・色々でんがな。何で、今更専務がそこにクレーム付けはりまんねん」

「このテーブル、共和物産から、新川家具へ持ち込んで断られた品やそうやないかい」

「わしは、そこまで感知しとりまへんがな」


 市村は少し怒り口調で答えた。


「まずいで・・。新川はんの所は、この羽崎より規模も大きいが、いずれ羽崎グループ傘下に入る最有力候補や。四郎とも懇意の仲やさかい、からくり読まれたんと違うか?市村」

「けどでっせ。ここらで、短期間でこの品捌けるゆうたら、新川はんの所しかあらへん。せやから、特別無理してまで、一台10万円もの修繕費と言う、美味しい話を共和物産からして貰うたんや無いですか。全部で2千万円と言う大金でっせ。断るちゅうのは、読めまへんで、実際」

「確かに美味しい話や。仕入れは一台5万円も掛かっとらんのやからな。せやけど、そこで、10万円の仕入れを上積みする事で、30万円と言う仕入れ原価の倍で、目玉ちゅう事にしたんやろけど、新川はんの所は叩き上げで一代で作って来た会社や。大量生産より、ブランドを大事にする人や。損得より、義理を立てるような人やさかい、そやからまずかったゆうとんや」

「で・・どないせえゆわはんのでっか?」

「共和物産が、他の流通に流せばええこっちゃ。そっちの腹は痛まへんやろ。とにかく、今回はこれ引いとけ。どっから、痛い所突かれるかも知れんよって」

「・・うーーーん」

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