策謀・派閥・暗闘
「へ・・?専務は祝いの席に呼ばれてしまへんのか?披露宴はやらへんちゅう事やったけど、てっきり身内は呼んで、祝いをした筈ですやろ?呼ばれてると思うてましたで。それに、専務知らへんのでっか?佐久間の嫁はんちゅうのは、うちの経理をやってたんでっせ?」
市村が、不思議な顔をして羽崎専務に聞いた。
「何やて?うちとこの事務員やて?ち・・好き勝手しくさって。それにやな、その祝言にしたかってやな、ほんまにわしには何も連絡もあらへんねん。正味、四郎と佐久間だけで、祝いしたらしいわ」
「何で・・ですやろ?」
「分からへん・・公に出来へん事情があんのか、それとも日を改めてやるんか、どっちかやろ」
「そっち、ちょっと調べときますわ。何ぞ出るかも知れまへんな」
そんな訳で、どこの会社でも派閥はあるもの。まして、血縁同士の争い程醜いものも無い。虎視眈々と、現社長派を転覆させんと、専務派は策略を練っている所。叉同時刻、こちらでも、やはり会合は開かれていた。
「・・・と言う訳でな。山本はんにはショールームの関西での展開と、住宅リフォームとインテリアを総合した部門をこれから育てて行って欲しい訳ですわ」
「承知致しました。精一杯頑張ります」
山本役員が答えた。




