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工藤の店に
「こおら!覗き見したらしばき倒すぞ、お前等」
千崎は手を振って否定した。
「ちゃいますねん、古風なバイクに、ライダースーツ。何かアンバランスやけど、えらい、べっぴんさんやねえ・・」
千崎が言う。
「ほうか・・わしは、足しか良う見とらへんさかい。せやけど、えらい長い足やったのお・・」
「流石、おやっさんや!」
「ど阿呆!」
笑いが漏れた。その女性は、工藤が渡したライダースーツを着て、事務所に入って来た。長身の長い髪・・まさにぴったりスーツが似合って居た。
「ほう・・良う似合うとるわ・・そのスーツ背の高い女性用やったんで、売れ残っとったんやけど、姉ちゃんも背が高いなあ、何センチ?」
「普通、名前から聞かへん?オーナー」
「ああ・・せやったな、ほんなら、聞いとこか」
「ほんまに面白いオーナーやね」
女性はくすくす笑った。




