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序章
「何だ・・知ってるのか・・」
佐久間は言った。少年は黙って返事をしなかった。
「はぅ・・・何やねん、佐久間、こないに早うに・・」
2階の窓から、眠そうに無精ひげを生やした男が顔を出した。
「こんな朝早く叩き起こせるのは、工藤の所しか無いからな」
「ふあ・・降りて行くわ。待っとれ・・」
工藤が2、3分して降りて来る、羽崎に頭を下げると、横に乗ってる少年に向かって言った。
「あれ・・お前・・修ニ・・金村修ニか?」
罰の悪そうな顔で、その修ニと言う少年がトラックから降りた。
「ははあ・・事故ったんかい・・やると思うたわ・・あんなマッハ転がしとりゃ、当然や」




