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佐久間米示と言う男
「修ニ・・お前、良い奴だなあ」
「ば・・何ゆうてんねん!あははは」
修ニは笑った。
「さあ、出来ましたよ。どうぞ」
ちょっとの間に作ったにしては、かなりの食材が並んでいた。
「美味い!美味い!」
佐久間は料理を頬張る。この食いっぷりに呆れながらも、まだまだ育ち盛りの修ニも食べる。その様子を微笑ましそうに見る美弥子。本当の家族のような温かい雰囲気だった。
「あーー満腹した。美弥子さんは料理が上手ですから、いつも幸せ一杯って気分になりますよ」
「あら、お上手や事、佐久間はん」
「いえ!本当ですよ、美弥子さん」
強く佐久間は、言った。少し美弥子は頬を赤らめて、台所へ・・。
「なあ、あんちゃん、見ぃたあでえ・・」
修ニがいじわるそうな顔をして、言う。
「見たって・・何を?」
「あんちゃん、この前の日曜日、淡路島行っとったやろ」




