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修二の青春  作者: 白木
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佐久間米示と言う男

 慌てて仕度を始める美弥子さんに、佐久間は声を掛けた。丁度、修ニがこの時間に夜間高校から戻って来た。佐久間を見るとすぐ、


「あ、あんちゃん、来てたんか。あのな、鳩が卵を温め始めたねん」

「おう!修ニ、さっき見せて貰ったよ。今2つ目が揃った所だから、18日後には、孵化だな。けど、ケイ号は、初卵だから、本当はこの卵を取って、次の卵を温めさせた方が良いんだがなあ・・どうする?」

「そんなん、嫌や。これは、俺の競翔人生のスタートや。あの香月博士もそうやったやろ?」

「ほう・・修ニ、あの川上さんの手記読んだな?どうだ、涙ちょちょ切れただろう」

「うん・・もう、感動もんやった。何ちゅうても、川上さんの言葉『常に愛情を注いで鳩に接する』それを貫き通せる姿勢。これは、最高の言葉や」

「おう・・その言葉を感じる奴は、見込みがあるぞ」

「へへ・・」


 修ニが照れ笑いした。台所奥から美弥子さんが出て来た。

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