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序章
「坊主、この男は空手3段で、全日本で3位になった事があるねや。まあ、黙ってしばらく言う事を聞いとけ」
嘘では無い事はもう分かった。少年は黙って従う事にした。
「会長、まずバイクは、自分の知り合いの所へ持って行きます」
「おう」
「わし、事務所は行かへんぞ」
「はあっ?」
少年の言葉に、佐久間は聞き返した。
「何だって?事務所・・?どこの?」
「そやって・・あんたら、こんな外国車のトラック転がして、さっきから言うてるやないか、会長って。わしはやくざなんかに用はあらへん」
「はあ・・はあっはっはははは。こりゃいい、大うけだ。はははは」
「わははは」
羽崎も笑った。




