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序章
「来年になったら、ちゃんと取るわい!それまでの練習じゃ!」
「はははは。素晴らしい屁理屈だなあ。ま、でも、そんな事で警察に突き出したりはしないよ。とにかくだ・・このバイクを修理工場に持って行って、お前を病院できちっと診て貰う」
「余計な世話じゃ!」
「まあ・・ちょっとこれ見てろ」
そう言うと、佐久間はそのバイクを頭上に持ち上げた。150キロはあるバイクだ。少年は驚いた。
「ば・・化けもんか・・」
佐久間はトラックの荷台にそのバイクを載せた。ロープで倒れないように縛る。
少年は肝を潰していた。プロレスラーのような男だと。いかつい顔、厚い胸、幅広い肩、180センチは超えているその長身。




