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蠢きの魔
「俺は、大丈夫や、修ちゃん。亮ちゃんを頼む!」
黙って修ニは頷き、猛スピードでバイクを発信させた。背中に、田村をくくりつけて。
「さてと・・」
工藤は、橋本と稲村のタイマンを見た。双方ふらふら状態であったが、橋本の包帯をした腹からは、鮮血がしたたり落ちていた。
「仲間使って、わし刺して・・ど汚ねえ真似しくさって・・。稲・・そなんしてまで鬼怒羅欲しかったんかい!」
「へ・・この世界は、勝ったもんが正義やろが!」
「これで、安心したわ。思いっきり、おのれをしばけるからの!」
「死にぞこないが、そのまま死んどきゃ良かったのお!」
その言葉と同時に、2人は飛び掛った。
橋本の後ろ蹴りが、稲村のこめかみに入った。稲村は口から泡を吹いて倒れた。
「よっしゃ!この喧嘩、橋本のもんや!文句ある奴は居てへんの!」
誰も、文句を言うものは居なかった。更に工藤が怒鳴った。




