6/13
学校
「よし、凛ーじゃあなー‼あのテレビみろよー!」
「わかったから」
凛とは俺の名前だ。静城凛、それが俺の名前だ。
「もっかい言うけどあのテレビ…」
「しつこい。とっとと自分の教室行け」
俺と梅鷹は別のクラスだ。2-Bが俺で2-Cが梅鷹だ。
まだHRが始まるまで20分ぐらいある。
周りは友達とわいわいしている。
だが俺は誰と話すこともなく本を取り出す。黙々と本を読む。HRが始まるまで。
この本の主人公は感情豊かだ。ファンタジーものの本だ、仲間がやられると怒り、負ければ悔しがり、仲間が死ぬと悲しむ。そんなありふれた主人公。俺とはまったく別だ。
「ふぅ…」
朝から梅鷹と話していて疲れたのか自然と声が出ていた。そして眠い、早くおきすぎたからだ。HRまで残り10分、読書をやめ眠りにつこうとする。
「りーーーーん‼なに寝ようとしてんのよっ‼ちゃんと起きなさーーーい‼」
寝る時そんな明るい元気な女の子の声が聞こえた気がした…