"運命"が重なる時、僕らは…
「ああーっ!電車間に合わねぇ!」
今日は6月1日、水曜日。
週に一度ある生徒会の日だった。
いつもならもっと早く終わるのに、今日は来週ある球技大会の企画とやらで遅くなってしまった。
正直言って生徒会なんて入るつもりさらさらなかった。
でも何故か知らないけど、音楽の東野先生?が俺を生徒会に推薦したらしい…
全く、迷惑な話だ。
「こんな時に限って母さん仕事だし…間に合わなかったらどーしよ……
…っととっおわっ!」
色々考えながら早足で歩っていると、突然目の前に現れた壁ーーもとい扉にぶつかりそうになった。
「あっぶねぇー!ってここ音楽室じゃねーか!」
噂をすればなんとやら、か?
別に東野先生本人がいるわけじゃねぇけど。
ん?
あれ?
その時、俺は音楽室から聴こえてくるピアノの音に気が付いた。
「誰だろ、こんな時間に…
まさか東野先生!?
…んなわけねぇか。」
その音色はとても綺麗で、音楽に関する知識が皆無な俺でさえ立ち止まり、聴き入ってしまった程だった。
「なんの曲だ、これ…」
「その曲はショパンの『ピアノソナタ第2番』だよ、内山春輝くん?」
「ぅわっ!東野先生…」
音楽室の防音扉に耳をくっつけて曲を聞いていると、突然東野先生が現れた。
「うわとは失礼だな。
私はさっきからここにいるぞ?
気がつかなかったのか?内山春輝くん」
「さっきから……
てか何でフルネームなんですかっ!」
どうやら東野先生はさっきから俺の背後にいたらしい。(これぞ本当の噂をすればなんとやらだ)
声を掛けないでニヤニヤと笑っている辺り、かなり人が悪い。
「愚問だな、内山春輝くん。
君のフルネームを読者の皆様に刷り込んでいるのだよ。作者の都合でね。」
おい、出て来い作者!
「はぁ、愚問なんですか…」
「時に春輝よ…」
「フルネームじゃなくなった!?」
東野先生は意外と持続力がなかった。
「お前、ここで何をしてる?」
根本的な質問キター!
「えと、音楽室からピアノの音が聴こえて…」
《バタン》
「うるさい、静かにし…
って水希先生っ!?」
うわ、美人…
すごい勢いで開いた扉から1人の女の子が出てきた。
いや、女の子というより女性の方が正しいかな。
それくらい大人っぽい外見だった。
「おおー神崎夕歌!元気に練習してるか?」
「何でフルネームなんですか。」
本日二回目のツッコミ。クールバージョン。
てか、こいつ『かんざきゆうか』って言うのか。
「大人の事情だ。気にするな。」
…あれ?こいつどっかで…
「あぁっ!お前俺のクラスメイトか!!」
1年の時は違うクラスだったし、
いつも教室の隅っこに居るから忘れてたけど…
「…そうですけど何か?」
神崎さん(でいいのかな?)はかなりクールーー否、ドライな性格の持ち主のようで、
敬語だし、なんかとても同い年とは思えなかった。
「いや、別に…」
(ニガテなタイプだな…)
と、心の中で密かに思った。
「なんだ、お前らクラスメイトか。だったら話は早い…
おい春輝、ちょっと来い」
「は?え、ちょ、待ってください!何ですかいきなり!」
「早くしろ。お前にしか頼めない事なんだよ。」
「……」
俺はよく状況が飲み込めないまま音楽室の中に押し入れられた。
「単刀直入に言う。
夕歌のピアノを、聞いてやってくれないか?」
「え…?」
お久しぶりです、逢月 湊です♪
私史上初のオリジナル作品ですよ!
なんかギャグチックなのはスルーする所です←
今回の作品は恋愛がメインです(ギャグパートじゃないですよ!)。
伏線とかバリバリ張っていくつもりなので、細かい所まで要注意です!
それでは謝辞を。
読んでくださった皆さん、ありがとうございました。
こんなグッダグダな作品、読んでてつまらないかもしれませんが、応援して頂けるとありがたいです。
感想、指摘等ございましたらお気軽にコメントしてください。お待ちしてます!
それでは、皆さんにとって面白い作品となることを願って…
逢月 湊